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ソフトバンクG「冬のち春」 4~12月期営業赤字、投資事業復調に自信

 ソフトバンクグループ(SBG)は12日、2019年4~12月期連結決算を発表し、本業のもうけを示す営業損益は129億円の赤字(前年同期は1兆8590億円の黒字)となった。ただ、傘下の米携帯通信の合併に関する訴訟に勝利したほか、投資事業も復調の兆しもみえ、同日会見した孫正義会長兼社長は「潮目が変わった」と業績回復に自信をみせた。

 「一言でいうと、厳しい冬の後に春が来たという決算だ」

 決算説明会の場で、孫氏はいつも以上に冗舌だった。11日にニューヨークの連邦地裁が、傘下の米携帯通信4位スプリントと同3位TモバイルUSの合併を認めたからだ。合併すればスプリントは連結子会社から外れ、4兆円規模の負債を切り離し、財務を改善できる。

 4~9月期に赤字転落した要因の投資事業も、傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」は9~12月期で2251億円の営業赤字を計上したが、保有する配車サービス「ウーバー・テクノロジーズ」の株価が回復しているため、実質的には好転している。

 その上で、孫氏は「ビジョンファンドは(足元の数字では)実質黒字に転換している」と強調。昨年12月末までの決算数字を説明する場で、2月に入ってからの数字を持ち出すことに、孫氏は「苦しい説明をしている」と自嘲しながらも、「投資会社になったのだから、投資した結果を問う。売り上げは関係ない」と言い放った。

 ただ、シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーなどの評価損により、4~9月期に投資事業で5726億円の営業赤字を出した影響は大きく、通期でも業績の挽回は難しい。投資会社は出資した会社が成長した際の配当や上場益で稼ぐ。出資先の経営状態が増幅されて跳ね返ってくる構造で、赤字転落の原因となったウィーの評価損も、創業者のガバナンス(企業統治)問題で経営悪化したことが発端だ。

 出資先の企業も革新的な技術を取り入れているが、事業内容はホテル経営や配車、シェアオフィスなどの不動産といったサービスが多く、経営が悪化した際は地道な対応しかない。実際、ウィーワークの経営改善策も新規ビルの建設中止や経費の節減といった現実的な施策が並んでいる。

 その意味ではSBGの経営は、今後も孫氏の“目利き力”頼みの構造は変わらない。安定成長という意味では課題が残ったまま。投資事業のかじ取りは難しく、ハイリスク・ハイリターンを狙う孫氏の手法には不安が残る。(高木克聡)

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 ■2号ファンド縮小へ

 ソフトバンクグループの孫正義氏は12日、第2弾の巨額投資ファンドについて、当初の想定より規模を縮小して運用を始めることを検討していると明らかにした。

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