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メルカリ、次の成長へ正念場 “強み”中古品の購買データを活かせるか

 実店舗への進出を表明したフリーマーケットアプリ大手のメルカリは、フリマアプリを通じて中古市場の拡大を牽引(けんいん)し、日本有数のベンチャー企業へと成長した。ただ、人工知能(AI)など巨額投資を続けており、収益化には課題も多い。新品を志向する日本人の商習慣を変えるのも容易ではなく、競合が増える中、次の成長に向け正念場を迎えている。

 「(日本の)家庭内に眠る不用品は年間7.6兆円といわれている」。20日の事業戦略説明会で、メルカリの山田進太郎社長は、中古市場の伸びしろをこう強調した。

 メルカリは2013年にサービス開始。商品の写真を撮影するだけで、AIが自動的に商品名などを判断し、相場の値段もわかるようにして出品しやすくするなど、先端技術を取り込んで、使いやすさを追求してきた。利用者は月間1500万人に拡大し、国内の流通総額は5000億円を超えた。

 国内のフリマアプリの市場規模は、18年に6392億円と3年間で倍増しているものの、山田社長が目指す世界はまだ実現できていない。メルカリの原点は、山田社長が世界一周の旅で見た新興国の貧しい人たちの光景だ。スマホで人々をつなぎ、資源を有効に活用するサービスを世界で展開することで、使えるモノが捨てられるといった地球資源の無駄をなくしたいとの思いがある。

 ただ、メルカリは19年6月期決算の売上高が516億円と、上場前に比べ、2倍以上に拡大している一方で、営業損益と最終損益は赤字が続く。キャッシュレス決済への投資もかさみ、赤字幅は拡大傾向にある。日本人の新品志向は根強く、競合他社の参入が続く。株価も18年の上場直後に付けた6000円を大きく下回り、公開価格(3000円)も割り込む水準で推移している。

 メルカリの強みは、これまで積み上げてきた中古品の購買データだ。販売された商品のその後を追うことのできるデータは、メーカーや小売り事業者も注目する。「個人と個人をつなげれば、資源を大切にして、みんなが豊かな生活ができる」。山田社長もそう長期ビジョンを描く。

 さらなる成長と収益化の実現には、人々の消費習慣を変え、洋服や家電、日用品も、自動車と同じように中古品を利用するリユース市場を根づかせることができるかにかかっている。(高木克聡)

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