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原子力規制員会、女川2号機を正式合格 被災の原発では2例目

 原子力規制員会は26日の定例会合で、東北電力が再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県)が新規制基準に適合しているとする審査書を決定し、安全審査に正式に合格した。合格は9原発16基目となり、東日本大震災の被災原発では日本原子力発電東海第2原発(茨城県)に次ぐ2基目。また、事故を起こした東京電力福島第1原発(福島県)と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)となる。

 再稼働について、東北電力は具体的な時期を明言していない。ただ、前提となる安全対策工事は終了時期の目標を令和2年度中としている。

 規制委発足後、合格は9原発16基目だが、同社の原発としては初の合格で、再稼働には立地する宮城県、女川町、石巻市の同意を得る必要がある。同社は今後、各自治体に理解を得る取り組みを本格化させるとみられる。

 沸騰水型をめぐっては、東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)、東海第2が既に正式合格しているが、いずれも地元自治体から再稼働の同意を得られていない。

 女川原発2号機は原発敷地が高い場所にあったため、震災では津波によって必要な電源が全て喪失されるのを免れた。ただ、低い位置にある取水口を通じて津波が逆流し、2号機原子炉建屋の地下で浸水被害が出た。

 東北電は平成25年12月、被災原発では初めて新規制基準に基づく審査を申請。原子炉建屋で確認されたひび割れの影響の有無といった被災原発固有の論点も議論されるなどしたため、審査が6年近くに及んだ。

 女川原発 東北電力が所有する宮城県女川町と石巻市に位置する原発。沸騰水型軽水炉で、1号機(出力52.4万キロワット)は昭和59年、2号機(同82.5万キロワット)は平成7年、3号機(同82.5万キロワット)は14年に営業運転を開始した。いずれも東日本大震災で冷温停止状態となった。今回、新規制基準に合格したのは2号機。1号機は廃炉が決定済み、3号機は再稼働に向けた審査申請を検討中。 

 安全対策の工事費は当初の想定を大幅に超える3400億円程度を見込むが、新基準で設置を義務づけられたテロ対策拠点の建設費用は含まれていない。

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