大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発

 □東京理科大学

 ■巨大ウイルス感染のアメーバ細胞 画像解析プログラムの開発に成功

 理学部第一部教養学科の武村政春教授らの研究グループは、位相差顕微鏡による「タイムプラス画像」を使い、細胞の大きさや形状の変化、数や動きなどを定量化できる画像解析プログラム「PKA3」を開発した。

 粒子サイズやゲノムが通常より大きく、生物とウイルスの中間的な特徴を持つ「巨大ウイルス」に感染したアメーバを対象に「PKA3」を用いて解析を行った。その結果、巨大ウイルス感染の有無がアメーバの増殖や形状、運動などに影響を与えることを定量的に示すことに成功した。

 「PKA3」を開発した手法は、位相差顕微鏡で観察可能な全ての細胞に応用できると考えられることから、今後の細胞生物学の発展に貢献することが期待される。

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 □金沢工業大学

 ■SDGs達成へアイデア創出ゲームアプリ

 学生プロジェクト「SDGs Global Youth Innovators」がリバースプロジェクト(代表・伊勢谷友介氏)と共同で開発したSDGs達成に向けたアイデア創出カードゲーム「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」のAndroidアプリがGoogle Playでリリースされた。無料で利用可能。

 解決策を提案するリソースカードを使い、トレードオフカードが提示する問題を解決していく仕組み。遊び方は「ビギナー版」と「アドバンス版」の2種類あり、誰でも気軽にSDGsの身近な課題に対して、ヒト・モノ・コトのリソースを組み合わせて解決するカードゲーム。金沢工大SDGs推進センターのwebページから無料でダウンロードできる。

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 □東京都市大学

 ■日本では未発見の海生爬虫類の化石か

 知識工学部自然科学科の中島保寿准教授らは、宮城県気仙沼市の中生代初期(約2億5000万年前)の地層から発掘された化石が、日本では発見されていない海生爬虫類の一種である可能性を明らかにした。発掘した化石は頭骨の一部で、顎には球状の黒い歯が並んでおり、歯を用いて貝や甲殻類などの無脊椎動物を捕食していたと推測される。

 今後もさらなる解明に向け、海外の化石標本と比較検討を行い、正確な系統分類的位置の特定を目指す。この研究成果は2月7日から東京大学駒場キャンパスで開催された日本古生物学会「2020年例会」で発表された。

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 □工学院大学

 ■敷地内に八王子市新産業創出センター

 八王子キャンパスに昨年9月に開設された「八王子市新産業創出センター」の開設記念セレモニーを20日に開催した。同センターは、市内の起業家や中小企業の研究開発を支援するのが目的で、市内企業・新規創業者に貸研究室5室を無料(共益費・光熱水費などを除く)で提供している。既に4室が入居済で、残りも入居事業者が決定している。セレモニーには約40名が参加。石森孝志八王子市長は2015年に同大学と締結した包括連携に触れ、「今後も協力して八王子市を盛り上げていきたい」と語った。また、佐藤光史学長は、同大学の建学の精神「社会と産業と最先端の学問を幅広くつなぐ『工』の精神」の下、さらなる産学連携の拡大に決意を新たにした。

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 □埼玉工業大学

 ■「彩の国ビジネスアリーナ 2020」に出展

 1月29、30の両日、さいたまスーパーアリーナで開催された「彩の国ビジネスアリーナ 2020」に出展。同時に特別企画展示「CASE 次世代自動車」の自動運転車両展示コーナーに、SAIKOカー(プリウス)の実機を展示し、AIによる画像解析のデモを実演した。会場には大野元裕埼玉県知事はじめ県関係者も見学に訪れた。

 今回は、次世代自動車センター埼玉が実施する特別講演・試乗会「自動運転の最新技術」において、「公道走行可能な自動運転バスの実験車両と自動運転の実用化・市販化」をテーマに、工学部情報システム学科の渡部大志教授の講演会と自動運転バスの試乗会を行った。

 自動運転バスの試乗会では、本学が開発中のAI自動運転バスが、さいたまスーパーアリーナの外周の公道を走行した。

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 □芝浦工業大学

 ■人生100年時代のための研究拠点を設立

 生命科学と工学で、人生100年時代を身体的・精神的・社会的に良好な状態にすることを目的にした「BIW(Bio-Intelligence for well-being)コンソーシアム」を設立した。感覚を通じて脳が刺激を認識し、体が反応する一連の情報処理のメカニズムが体におよぼす影響の基礎研究と応用研究を融合した研究拠点となる。

 同大ではこれまで、この分野で29本の論文、95件の学会発表、2件の特許出願を行うなど研究成果を社会還元しており、今後はさらに活発な研究活動が期待される。

 3月11日にはコンソーシアム設立後初の研究会を同大豊洲キャンパスで開催する。

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 □広島工業大学

 ■学生がリフォームを提案、内装も体験

 地元の不動産会社の依頼で賃貸部屋のリフォーム案を手掛けた建築工学科の女子学生たちが、工事の際に室内のクロス貼り作業を体験した。会社は改装終了後に賃貸募集をする。

 部屋はロフト付きで延べ16平方メートル。「没頭できる部屋」をコンセプトに壁紙は青と白が基調。ロフトには勉強用の机を作り、はしごを取り外して階段兼用の収納棚を設置した。ベランダにはウッドデッキを付けて約40センチの段差を解消した。

 技術系女子学生のキャリア形成や就業などを支援する女子学生キャリアデザイン(JCD)センターで活動する同学科と建築デザイン学科の2年生17人が昨年、4チームに分かれ、約5カ月間かけてプランを練り上げた。会社側が学内プレゼンテーションで最優秀賞に選んだ改装案で工事を進めた。

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 □大阪電気通信大学

 ■ポプラの木使った椅子を幼稚園へ贈呈

 工学部建築学科の学生がポプラプロジェクトの一環として、ポプラの木を使った椅子を製作、寝屋川市立中央幼稚園の園児たちに贈呈した。ポプラプロジェクトは、寝屋川キャンパスの大規模リニューアルで伐採されたキャンパスの「ポプラ」を未来に残すプロジェクト。同学科のインテリア計画の授業で昨年9月から設計図を作成し、11月から製作を開始した。

 学生たちは、椅子に込められた想いや使い方を発表し、園児に興味を持ってもらうために、椅子を実際動かしてみたりクイズを出したりと工夫を凝らしてプレゼンテーションを行った。今回、園児たちに選んでもらった椅子13脚は改めて安全性をチェックし贈呈の運びとなった。

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【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@mc2.osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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