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国の判断を待つ企業は…新型コロナ対策でバレる「伸びる企業、落ちぶれる企業」 (2/3ページ)

 新型コロナ対策をいち早く打ち出した日本の企業

 新型コロナ対策で企業は具体的にどんな動きをしているのだろうか。

 一部上場企業の人事担当者は内部で検討している対策を明かしてくれた。その主なポイントはこうだ。

・社員に対して、個室に50人以上が集まる集会や宴会への参加自粛要請・時差通勤や在宅勤務を奨励し、国内外の出張も規制

・中国からの帰国者は14日間の健康チェックを受けないと出社禁止(中国現地法人への出張も原則禁止)

 この人事担当者によれば、やはり国や自治体の指導方針を待っていては遅いため、独自の自己防衛手段を検討し実行する方針だが、それでも危惧している点があるという。

 「クライアントなどとの打ち合わせが制限され、会議や業務が困難となれば受注している仕事の納期が遅れ、大打撃を受けるかもしれない」

 なぜ、在宅勤務を導入する企業が増えなかったのか

 ところで、今回の新型コロナに対する企業の対策では、在宅勤務などのテレワークを活用した事業の継続を図っているのが大きな特徴となっている。

 在宅勤務は災害時の本社機能がダウンした場合などに備えるBCP(事業継続計画)の中核の対策に位置づけられている。

 BCPとは大地震、テロ、疫病などの発生時に本社機能の分散による指揮・命令系統の確保や従業員の安全と事業の損害を最小限に抑えるための行動計画だ。

 1995年の阪神淡路大震災で注目され、それ以降、現代にいたるまで少しずつ災害時にBCPの策定に乗り出す企業が増えてきた。

 在宅勤務をすすめるGMO、NTT、武田薬品工業…

 例えば、東証1部上場のGMOインターネットグループだ。今回の新型コロナによる影響で、中国国内に駐在・出張中の従業員に対し、強制帰国の指示を出すとともに、1月27日から2週間をめどに全従業員4000人を在宅勤務とした。

 同社の熊谷正寿グループ代表はブログでこう述べている。

 「2011年より、大地震、大災害、戦争、テロ、疫病の蔓延などの有事に備えて、本社機能の移転、在宅勤務体制の構築、N95マスク、ヘルメットなど災害用品の備蓄、そして年に一度の避難&在宅訓練など、いわゆるBCP(事業継続計画)を行ってきました」(2020年1月29日)

 同社以外でも今年2月17日にNTTグループがテレワークや時差通勤を推奨。武田薬品工業も国内全拠点の最大5200人超に対し在宅勤務を推奨している。このほかにも新型コロナ対策として在宅勤務を推奨する動きが相次いでいる。

 在宅勤務を「育児と仕事の両立支援策」として始めた

 この「在宅勤務」はもともとBCPの一環としてアメリカ企業で始まった。とくに2011年の東日本大震災以降、関心を示す企業が増えたが、問題点がひとつある。

 なぜか日本では天災や疾病などのBCP対策というより、どちらかといえば「育児と仕事の両立支援策」としての在宅勤務が全面に押し出されたのだ。

 政府の「働き方改革実行計画」(2017年3月)ではテレワークについて「時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため、子育て、介護と仕事の両立の手段となり、多様な人材の能力開発発揮が可能となる」とうたっている。この時点で、BCPの本質とはズレが生じている。

 課題は他にもある。

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