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携帯3社も楽天参入で値下げ必至 寡占市場に風穴、新たな局面に (1/2ページ)

 楽天が4月に本格参入する携帯電話サービスで、原則としてデータ通信量に上限がないプランを月額2980円と携帯大手3社の大容量プランの半額以下で提供することになった。赤字覚悟で価格競争を仕掛け、他社からの乗り換えを促すのが狙いで、携帯大手もプラン見直しで対抗することが必至だ。楽天が第4の携帯電話事業者として値下げ競争を活発化させれば、3社横並びで寡占状態だった国内携帯市場は新たな局面を迎えそうだ。

 「革新的というか衝撃的な価格戦略を実現している」。楽天の三木谷浩史会長兼社長は3日の記者会見で自画自賛した。

 楽天は新規参入の申請に際して政府に公約した「大手の半額」という料金水準を達成した形だ。総務省幹部は「いよいよ、これから価格競争が始まる」と18年にソフトバンクが携帯市場に参入して以来の大きな変化を期待する。

 大手3社の主力の大容量プランは価格設定の基準が各社で異なるが、NTTドコモが月額6980円、KDDIとソフトバンクが7480円だ。家族との同時加入や光回線とのセット割引などを活用すれば最大3千~4千円安く済むが、「楽天はそれよりさらに安く、顧客獲得が進むだろう」とMM総研の横田英明常務は指摘する。

 携帯料金の見直し議論は政府が主導してきた。菅義偉官房長官が30年8月に「4割値下げの余地がある」と発言したことをきっかけに、昨年10月には端末の値下げ幅や2年縛りの違約金に上限を設けて利用者が乗り換えやすくするなど、価格競争を促すための環境整備を急ピッチで進めた。

 だが、蓋を開ければ、この1年の価格競争はドコモが割高だった料金を他社並みにしたくらいだった。各社とも値下げの余力を残しながら昨年10月に参入するはずだった楽天のプランを様子見する状況が続いたが、楽天の本格参入が延期になり値下げを急ぐ必要性はなくなった。

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