サービス

東日本大震災あす9年 常磐線14日全線再開も「高揚感ない」

 今月、福島県内の不通が解消し、9年ぶりに全線運行を再開するJR常磐線。東京-仙台間を結ぶ特急復活に、沿線自治体は来訪者増を期待する。一方、再開する3駅の地元では、駅舎周辺を除く広範囲で帰還困難区域が継続。駅前のにぎわいは望めず、住民から「自身の生活に関係ない」と冷めた声も漏れる。

 最も近くで東京電力福島第1原発から約1.5キロ西方を走る常磐線は、一部が放射線量の高い帰還困難区域に重なり、長く不通が続いた。

 3月の一部避難指示解除に伴い、14日に再開する富岡-浪江間(約20.8キロ)では双葉、大野、夜ノ森3駅が再開業。各自治体にとって、鉄路復活は悲願だった。夜ノ森駅を抱える福島県富岡町の宮本皓一町長は「訪れた人に町復興の進捗(しんちょく)状況を見てもらいたい」と意気込む。

 「意味ないよね。降りても道しかないんだもん」。行政の熱意とは対照的に、大野駅のある同県大熊町に住む女性(70)はつぶやいた。今回の避難指示解除が主に線路と駅舎、周辺道路に限定されるからだ。

 大野、夜ノ森両駅周辺では、道路や宅地の多くに侵入防止用の柵が設けられ、再開後も避難指示解除済みの地域に続く道路にしか立ち入れない。原発事故以来、手付かずのエリアもあり、夜ノ森駅西側を除き、人が暮らせるにはあと2、3年かかる。

 夜ノ森駅近くに住む男性(91)は「駅の利用再開で人も住める印象があるが違う。人が戻らないから高揚感はないね」と話す。別の男性(81)も「車を使うから駅は利用しない」と言い切った。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus