現場の風

マネーフォワード ユーザーの意見 丁寧に金融業へ代弁

 マネーフォワードFintech研究所長・瀧俊雄さん(38)

 --日本はITと金融が融合した「フィンテック」への対応が遅れている

 「金融機関はフィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)でさらに一歩先の世界を描いていく必要がある。また、ゼロ金利の社会では金融機関の価値は決済に偏らざるを得ないとはいえ、この分野で継続的に収益を上げられる手段も限られる。その中央にあるネットワークについてもさまざまな議論があり、未来像をデジタルファーストの発想で考えていく必要がある」

 --政府や金融機関に求めることは

 「全銀ネットが議題として挙げられるが、消費者や中小企業にとっての使い勝手を議論していくべく、より公的な議論や、場合によっては税金の投入も必要かもしれない。資産の形成や取り崩しに関して、利用者にとって本当に必要なものか判断できるようにするためにも、金融機関にとどまっている利用者情報を手元に戻せるようにもしなければならない。それができないと、金融サービスは利用者の納得度を得にくい状況が続く」

 --デジタル通貨発行に関する議論が進んでいる

 「デジタル通貨を導入することが注目されがちだが、それを通じて何を達成したいのかが重要だ。例えば、現金をなくすことが目的なのか、情報を利活用することが目的なのか。貨幣は本来、中立的かつ匿名的なものであるべきなので、デジタル通貨そのものは情報の利活用には向いていないのではないか」

 --今後の目標は

 「われわれは個人や中小企業など真のユーザーの意見を丁寧に政府や金融業へ代弁する義務がある。それをしっかりと伝えていくことで、金融サービスはどんどん使いやすくなるはずだ。そうした意見や利便性を伝えやすくすることをこれからもライフワークにしていきたい」

【プロフィル】瀧 俊雄

 たき・としお 慶大経済卒、2004年に野村証券入社。12年に家計簿アプリを手がけるマネーフォワード設立に参画。15年7月から現職。金融庁「フィンテック・ベンチャーに関する有識者会議」のメンバーなども務める。東京都出身。

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