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スマホでラジオを聴ける環境整備 「radiko」10年 青木貴博社長に聞く

 全国のラジオの番組をインターネットで配信するサービス「radiko(ラジコ)」が始まって15日で10年が経過した。毎月の利用者は約800万人に達し、新たなマスメディアとして定着してきた。スマートフォンで番組を聴けるラジコを通じ、初めてラジオに接する若者も多い。青木貴博ラジコ社長に経緯や展望を聞いた。

 --なぜラジコを始めたのか

 「ラジオの広告費は当時既に最盛期からほぼ半減していた。強い危機感から、競争関係にある局同士が協力して、ラジオを聴ける環境を整えようとした」

 --放送と同時の配信からスタートし、順調に利用者を伸ばしてきた

 「(他県の局を聴取可能な『エリアフリー』以外は)無料にすることで、新しいリスナーに接触してもらおうと考えた。スマホのおかげで手軽に聴けるようになったのが大きい。聴き逃した後に、ネットの記事などで話題になった番組も『タイムフリー』で楽しめる」

 --放送と異なる通信のメリットは

 「データが放送にはない財産だ。エリアフリーの会員は性別、生年月日、郵便番号を入力してもらっている。この属性や聴いている番組の履歴を他のネット調査結果と突き合わせれば、どの番組をどんなリスナーが聴いているのか、類推できる。番組編成や広告営業に使える。番組宣伝の一部を、ターゲットを絞ったCMに差し替える実験も行っている」

 --昨年から、個々の利用者に関心のありそうな番組を薦め始めた

 「TBSを聴いている人にニッポン放送の番組をレコメンドするのだから、局からすると気持ちの良いものではないだろう。しかし、一人でも多くラジオを聴いてもらうのがラジコの役割だ」

 --次の一手は

 「ラジオは人がしゃべる温かいメディアで、これからもっと見直されてくると思う。ただ、すごく聴いている人と全く聴いていない人に分かれる。聴いていない人に、こういう番組があると知ってもらうため、コンテンツ主導型のPRが必要だろう。パーソナリティーにSNS(会員制交流サイト)で発信してもらったり、番組で一番盛り上がった部分だけリスナーが知人とシェアできるようにしたりしていきたい」(聞き手は共同通信編集委員・原真)

【プロフィル】青木貴博

 あおき・たかひろ 1970年東京生まれ。広告会社の電通でラジオを担当。ラジコには設立前から関わり、2017年から現職。

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