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甜菜に発生する病害虫をAIで特定

 十勝農協連と富士通、システム構築へ

 北海道の十勝農業協同組合連合会と富士通は、生産者がスマートフォンで撮影した甜菜(てんさい)の写真をもとにAI(人工知能)が病害虫を特定し、病害虫や農薬の散布方法などの情報を生産者に提示する病害虫診断システムの構築に4月から着手すると発表した。2021年度からシステムの運用を始める。

 十勝農協連が収集した病害虫の画像データをもとに、富士通が病害虫を判別するAI学習モデルを開発。甜菜に発生する褐斑(かつぱん)病およびヨトウムシの特定を実現する。

 十勝地域は、一経営体当たりの経営耕地面積が約41.6ヘクタールと、全国平均の約23倍の規模を誇る。一方で、農業従事者の減少や高齢化問題がより深刻な状況で、経営の効率化や競争力強化が急務となっている。対策として、十勝農協連は富士通と連携し、病害虫診断システムの構築に着手する。

 システム構築に先立ち、両者は一般社団法人農林水産業みらい基金の助成を受け、19年に実証実験を実施。病害虫を特定するAI学習モデルの平均適合率90%以上を達成したという。

 システムでは、生産者がスマホで撮影した甜菜の画像データをもとに、AIが甜菜に発生する確率が高い褐斑病とヨトウムシを特定。病害虫の発生状況を集約し、発生場所、発生日時を俯瞰(ふかん)的に把握することで、十勝全域で効果的な農薬散布を可能とする。

 また、十勝農協連の営農技術情報と病害虫情報をひも付けて、散布すべき農薬と散布方法を生産者に提示することで、生産者の作業負荷軽減や農薬などのコスト削減および競争力強化を支援する。十勝全体で散布回数を1回分減らすことにより、年間約1億円のコスト削減が見込めると試算されている。(インプレスウオッチ)

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