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5G、料金は4G並みも乏しいサービス

 23日に出そろった携帯大手3社の第5世代(5G)移動通信システムの料金プランは、各社とも既存の4Gの大容量プランに500~千円上乗せするにとどめた。通信エリアが狭く、5Gを生かした魅力的なサービスも十分でないため、価格設定で強気になれない面があるからだ。消費者が飛びつくようなサービスを作り出せるかが5G市場の覇権争いを左右しそうだ。

 「4G(の普及)にはスマートフォンの登場という武器があった。5Gでスマホの形が変わるわけではない。サービスの工夫が必要だ」

 KDDI(au)の高橋誠社長は23日の会見でこう述べ、5G普及の初速は過去の4Gよりも緩やかになる見通しを示した。

 そのため、5Gの利用で上乗せする月額千円を約2年間割り引くキャンペーンを実施し、動画配信やゲーム、スポーツ観戦やアイドルのライブ鑑賞などの専用サービスも用意する。だが、こうしたサービスを使うには利用料が別途必要で、消費者の心理的ハードルは高く、5Gの普及を後押しできるかは未知数だ。

 一方、各社の料金プランからは5G黎明(れいめい)期の戦略が読みとれる。

 NTTドコモは今回、データ通信量の上限をなくした。スマホを使って、他の機器をインターネットに接続する「テザリング」も無制限とし、タブレット端末やメガネ型のウエアラブル端末など周辺機器を一緒に活用する新サービスの開拓を目指す。KDDIは米動画配信大手のネットフリックスなどと連携、スマホでの動画視聴を前面に押し出す。既存の4Gプランに基本利用料を追加する形をとるソフトバンクは、プロ野球やプロバスケットボール中継などのコンテンツを充実させながら、動向を見極める構えだ。(高木克聡)

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