リーダーの視点 鶴田東洋彦が聞く

思い出深い「梨記念館」 シルクロードで取材(2-2)

 思い出深い「梨記念館」 シルクロードで取材

 --商業施設や博物館など幅広い分野の制作で空間づくりの実績を積んできた

 「1974年の入社から20年間、商業系事業を担当し、94年に文化空間事業部に異動した。このとき転職した感じを味わった。商業空間は、事業主が集客できて来店者にも喜んでもらえる店舗づくりが中心だ。一方で文化空間は、内装に使う素材も異なるし映像や音響を使い、ジオラマなども制作する。協力会社の業種は異なる上、1プロジェクトが完了するまでの期間も違う。いろいろな違いはまるで別会社のようだ。人を束ねるマネジャークラスは異動することで多くを知ることができる」

 --携わった空間づくりで思い出に残るものは

 「商業空間では総合スーパーから専門店などの店舗づくりだけでなく、証券会社から外資系オフィスまで全国のさまざまな施設に携わった。文化空間の時代は、全国に国立や県立の博物館が整備されたときで複数の施設に関わった」

 「中でも思い出深いのは『鳥取二十世紀梨記念館 なしっこ館』で、日本で唯一の梨ミュージアムとして2001年に開設した。現在は南アジアからの訪日客が多数訪れる観光スポットとなっている。今もシアターで上映されている『未来に羽ばたく梨産地鳥取』は、日本の梨のルーツを探して古代中国のシルクロードの果て、敦煌の先のウルムチまで取材・撮影に出かけた」

 --経営に生きたことは

 「異分野のプロジェクトメンバーと関わることで多くの『気づき』を得ることができ、後のマネジメントに生きている。空間を訪れるユーザーに喜んでもらうことで、顧客の事業に貢献できれば当社の評価も高まる。携わった社員も充実感を得られ、モチベーションのアップにつながる。こうした『いい仕事』が良いサイクルを生むと確信が持てた。座右の銘である『継続は力なり』の通り、今も『いい仕事をしよう』と社員に向けてメッセージを発信し続けている」

 --休日の過ごし方は

 「趣味のゴルフに行ったり、河原の土手を散歩したりしている。これは脳内休息にいい。また美術館を訪ねたりしていることが多い。美術館巡りは都内が多いが、他府県に出張などで出向くときは、その地域の美術館、博物館にも足を運ぶ。その際は名物や風土に触れることも意識している。地域創生のお手伝いをする上でやはり、その地域を知ることが大切になってくるからだ」

 --好きな本は

 「法隆寺や薬師寺の宮大工棟梁(とうりょう)を務めた西岡常一氏の著書『木に学べ-法隆寺・薬師寺の美』。『木の癖を見抜いて、それを適材適所に使う』という印象深い言葉を記している。木の癖、例えば『曲がった木は梁(はり)に向く』というように癖を生かして組み立てるわけだが、人を束ねるという意味で共感した」

 「宮大工の棟梁もそうだが、当社もさまざまな空間づくりをトータルにサポートする会社なのでプランナー、デザイナー、制作、営業などさまざまな職種がいて、一人一人が得意とする分野も違う。それぞれの強みや癖を見抜いて適材適所に配置して、個性を発揮しながらお互いを生かし合うことでチームが最大限の力を発揮できるようにしなければいけない」

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