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JDIが臨時総会、いちごの支援決議 先行きは依然不透明

 経営再建中の中小型液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)は25日に東京都内で臨時株主総会を開き、独立系投資顧問会社いちごアセットマネジメントからの出資受け入れなどを決議した。支援表明した中国と台湾の企業が離脱するなど混乱したが、今後はいちご主導で財務を立て直したい考え。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で環境は悪化しており、経営の先行きは依然として不透明だ。

 臨時総会では出資受け入れのほか、いちごの社長を務めるスコット・キャロン氏の取締役選任などを決めた。キャロン氏はJDIの会長に就き、再建に深くかかわる予定だ。

 JDIといちごは、1月に最大1008億円の金融支援で合意。3月13日に100億円を増額した。25日はそのうち504億円について決議した。

 今回の支援などにより、昨年9月末時点で1016億円にのぼる債務超過の状態は解消される見通し。総会終了後に記者会見したJDIの菊岡稔社長は、「支援をいただけたことは、会社としてはこの上なくありがたいし、ほっとしている」と述べた。残りの604億円については、6月の定時総会で賛否を問う予定で、そこまでたどり着けば財務内容は大きく改善する。

 だが懸念も残る。新型肺炎の影響で、中国にある同社や協力会社の工場は操業が低下。液晶を搭載するスマートフォンの販売も落ち込んでおり、状況次第ではさらに資金が不足する可能性がある。投資家の資金を預かる立場だけに、いちごが今後も支援姿勢を維持できるかも予断を許さない。

 一方、JDIは白山工場(石川県白山市)を米アップルとシャープの連合に売却することを検討しているが、新型肺炎の影響もあり交渉は遅延。菊岡氏は会見で、アップルへの一部設備売却を先行させる可能性があると述べた。

 さらにJDIをめぐっては、過去の決算で約100億円の在庫を過大計上していた疑いがあるとして第三者委員会が調査中で、4月中旬に結果を発表する予定だ。事実なら信頼低下は避けられず、綱渡りの状況は続きそうだ。(井田通人)

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