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NEC子会社をシャープが買収 電子看板事業取り込み

 シャープは25日、デジタルサイネージ(電子看板)などを手掛けるNECの子会社を買収すると発表した。約92億円を投じ、7月に株式の66%を取得する予定。海外に基盤を持つNECの業務用ディスプレー事業を取り込み、世界市場で高いシェアを誇るサムスン電子などの韓国勢に対抗する。親会社の鴻海(ホンハイ)精密工業とも連携し、海外事業拡大への足掛かりとする。

 買収するのはNECディスプレイソリューションズ(東京)。液晶の電子看板や法人向けプロジェクターなどを、欧米を中心とした海外市場で展開している。シャープの電子看板や電子黒板は国内が主力で、補完関係にあると判断した。

 NECも34%の株式を引き続き保有する。運営には共同で取り組み、それぞれの販売網を生かしていく。商品は当面、NECのブランドで販売を続ける方針だ。

 世界の業務用ディスプレー市場ではサムスン電子やLG電子など韓国勢が先行している。ただ、競争激化で価格競争に巻き込まれやすい液晶テレビなどの一般消費者向けの製品と比べると、市場の伸びが期待できる分野だとシャープは見込む。

 NECディスプレイソリューションズは2000年に設立。19年3月期の連結売上高は973億円で、シャープの同事業の2倍以上の規模がある。営業損益は連結で9億円の黒字を確保したが、単体では2億円の赤字に陥っていた。

 一方、京セラは25日、NEC子会社の光学部品メーカー、昭和オプトロニクス(東京)を6月1日付で子会社化すると発表した。NECが保有する93.53%の保有株全てを約100億円で譲り受ける。NECは経営資源をITサービス関連に集中させる方針で、非中核事業の売却を進める。

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