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5Gで作物・乳牛を遠隔管理 大学や通信会社、農作業効率化へ実験

 高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムを農業や酪農で活用する試みが注目されている。担い手不足に悩む1次産業では作業の効率化が課題。大学や通信会社などが5Gと高精細な映像を組み合わせ、乳牛や農作物の遠隔管理の実用化に取り組んでいる。

 国際電気通信基礎技術研究所とKDDI(au)などは、北海道上士幌町で酪農の負担軽減に向けた実証実験を進める。乳牛は定期的な健康診断が必要だが、牛は広い牛舎を移動しており、経験を積んだ飼育員でも数百頭いる中から対象の牛を探すのに時間がかかる。

 そこで、舎内に5台のカメラと5Gの通信設備を設置。牛の耳に付けられた識別番号を刻んだ印をカメラで読み取り、映像を分析することで居場所を簡単に把握できるようになった。番号の数字は小さく、高精細な映像を伝送できる5Gだからこそ可能になった。

 北海道大はNTTグループと協力し、北海道岩見沢市で農業の効率化に取り組む。GPS(衛星利用測位システム)とセンサーを使って自動走行するトラクターにカメラを積み、映像を5Gで離れた事務所に送信。周囲に障害物がないか安全性を確認しながら、トラクター4台を同時に走行させることに成功した。

 今後は作物の生育状況や病害虫の発生をチェックする仕組みをつくる計画だ。北海道大大学院の野口伸教授は「5Gが本格的に普及すれば、農業の効率化にも役立てることができる」と話した。

 NTTアグリテクノロジー(東京)は今年12月に山梨県中央市で操業を始める大規模な園芸施設で、地域を限定した「ローカル5G」を展開する計画だ。約1ヘクタールの広さで育てる作物の管理に5Gを利用する。収穫物を運搬するトラクターを効率的に運用するため、走行している場所を把握することにも5Gを使う予定だ。

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