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JFEも高炉休止…鉄鋼正念場 鋼材需要が低迷、中国勢台頭

 業界最大手の日本製鉄に続き、2位のJFEスチールも高炉休止を決断した。戦後復興や高度経済成長を牽引(けんいん)した日本の鉄鋼業は高い技術力を誇るが、台頭する中国勢に押され市場での存在感は低下。国内需要も頭打ちとなっており、業界は正念場を迎えている。

 JFEスチールは27日、2023年度をめどに東日本製鉄所京浜地区(川崎市)の第2高炉(炉容積5000立方メートル)を休止するなどの構造改革を発表。設備の減損処理を実施し、持ち株会社JFEホールディングスの20年3月期連結最終損益は1900億円の赤字に転落する見通しだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自動車各社が工場を停止するなど足元の鋼材需要は低迷。鉄鉱石価格が高止まりする一方、鋼材の値上げが追いつかず、各社の収益環境は厳しい。

 JFEスチールの北野嘉久社長は同日の記者会見で「30年ごろまで内需減少率は(年間で)1%とみている。国内粗鋼生産量は9000万トン台(で推移する)だろう」と述べた。鉄鋼業では粗鋼生産が年間1億トンを超えるかどうかが好不調の分岐点とされたが、その水準の維持は厳しく、高炉の削減に踏み切った。

 JFEの高炉は岡山、広島両県に拠点を置く西日本製鉄所と合わせ、8基から7基体制に縮小。粗鋼生産能力の約13%に当たる約400万トンを削減し、高級鋼材生産に集中する。

 京浜地区にある薄板生産に関する設備の大半も休止し、東日本製鉄所千葉地区(千葉市)に集約。千葉の高炉は23年をめどに改修する。一連の設備休止で年間約600億円の収益改善効果を見込む。京浜地区の関連従業員約1200人は配置転換し、雇用を維持する。

 国内鉄鋼大手は自動車や建設向けなどに高級鋼材を供給する一方、汎用品を海外市場に輸出することで生産規模を維持してきた。ただ中国が生産規模を日本の約10倍まで高めている上、新型コロナウイルスの感染拡大により需要が急減。在庫が高止まりするなど、国際市況の下落リスクが指摘される。

 さらに感染拡大に伴い「人やモノの移動まで制限されるという経験したことのない事態で、非常に難しい問題」(北野氏)にもさらされている。鉄鋼各社は踏み込んだ合理化策で収益力回復を目指すが、先行きが見通せない状況が続きそうだ。

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