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新型コロナで入社式中止、縮小相次ぐ 研修もウェブ方式

 例年なら、経営トップらが一堂に会して歓迎メッセージや訓示を行う4月1日の入社式。だが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、中止が相次ぐ。規模縮小などで、何とか対面式の入社式実施を目指したものの、東京都などから移動自粛や在宅勤務要請を受け、断念した企業も多い。その後の新人社員研修も含め、インターネットを使ったウェブ方式が主流となっている。

 本社が関東圏以外に多い自動車業界でも入社式の中止や方法の見直しが相次いでいる。トヨタ自動車は、愛知県豊田市の本社で予定していた式を中止。マツダも中止し、日産自動車は「オンライン入社式」に変更する。

 社員研修も集合では行わず、インターネットを通じた「eラーニング」が主流になる。ホンダは、5月上旬まではeラーニングを中心に行い、複数人で集まっての研修は後日とする。

 ウェブ入社式に切り替えたパナソニックでは、在宅の新入社員700人に、津賀一宏社長がメッセージを動画で配信し、その後ネット上で、辞令を交付する。

 総合商社でもウェブ入社式への切り替えが進む。三菱商事では、130人の新入社員全体を集めることをやめ、4グループに分け、対面式での実施を計画していた。だが、27日に対面式は難しいと判断し、方式を再検討している。住友商事や三井物産はウェブ入社式を予定している。

 一方、日本郵政グループは、ウェブ方式も含め、入社式を全面的に中止する。例年なら都内の研修センターに、職種ごとに集めて実施していた新人社員研修も、今年は地域ごとにグループ会社の支社や郵便局の会議室などに分散させて少人数で行う。

 日本生命保険も、約1千人の新入社員について、例年、日生劇場(東京都千代田区)で開く入社式を取りやめる。

 入社式の中止決定が相次ぐ中、ある大手企業のトップは「同期の絆は入社式や新人研修で培われる面もある。コロナが収束したら、イベントや研修を企画し、新入社員の結束を高めさせたい」と語る。

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