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国内自動車生産、コロナ「世界停止」で荒波 需要も“輸出頼み”

 新型コロナウイルスの荒波が、日本の基幹産業である自動車産業を襲っている。日銀短観で大企業製造業の景況感悪化が発表された1日、SUBARU(スバル)は唯一の国内工場である群馬製作所(群馬県太田市)の一時停止を決定。乗用車メーカー8社すべての国内生産が影響を受けることになった。部品などの関連産業も含め、雇用をはじめとした裾野が広い自動車業界。その停滞は、日本経済全体のブレーキとなる恐れも強まっている。

 新型コロナの国内自動車生産への影響は2月、中国からの部品供給停滞で、日産自動車が九州の生産子会社で断続的に休止を始めたのが皮切り。3月に入ると、今度はトヨタ自動車などで従業員感染からの一時休止が発生した。並行して欧米やアジアなどにも感染が拡大、「都市封鎖」に陥る国が一気に増えた。これで、欧米などからも輸入している部品の供給不安定化に世界的な需要低迷も重なり、各社は国内工場の一時休止や生産調整を迫られ、最後まで踏みとどまっていたスバルも陥落した。

 日本自動車工業会によると、令和元年の国内生産台数968万台(トラック・バスも含む)のうち、約半数にあたる482万台が輸出向けだ。感染拡大が世界的に収束しない限り、国内生産の安定は見込めない。スバルは輸出割合が8割と特に高いこともあり、他メーカーよりも休止期間が長くなる結果となった。

 自動車減産は、関連する部品メーカーも直撃する。TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は一部工場の休止を決定。「軸受け」などの自動車部品を扱うNTN(大阪市)も国内工場の生産計画調整を検討するなど、今後の業績への影響は避けられない。

 日本全体の就業者人口約6600万人(平成30年)のうち、自動車関連産業は運送や資材、販売なども含め計546万人で、8%を占める。1日発表された令和元年度の国内新車販売は消費増税の影響もあり、503万8727台で4年ぶりに前年度割れ。以前から需要は世界的に需要は減少傾向で、雇用を維持し続けられるか不透明さも残る。

 日本鉄鋼連盟の北野嘉久会長は、国内鉄鋼業にも国内の自動車工場停止の影響が出ていると指摘。「リーマン・ショック以上(の危機)かといえば、私はそう思っている」と危機感を隠さなかった。

(今村義丈、平尾孝、山本考志)

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