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訪日客呼ぶ競技大会の感染症対策は重大 (1/2ページ)

 新型コロナウイルス感染拡大と国内の状況を見ていると、2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の影響で、国内で予定された多くのスポーツ大会が中止または延期に追い込まれたことを思い出さざるを得ない。(フリーランスプランナー・今昌司)

 当時、私はその一つの大会の運営現場の真っただ中にいた。翌年のアテネ五輪への出場権を懸けて、仙台を開催地として女子バスケットボールのアジア地区予選大会が6月に予定されていた。しかし、SARSの猛威が日本にも及ぶことが懸念され、訪日客を意図的に多数呼び込む、いわゆる「マスギャザリング」によるイベント開催は、5月に入ると開催地自治体からも中止か延期の検討を打診されるようになり、結果として延期を決定せざるを得ない状況となっていた。

 また、同時期には、同じくアテネ五輪の出場権を争う各種競技大会や、記念すべき第1回大会であったサッカー東アジア選手権の開催も同様の措置を取らざるを得ない状況にあった。

 もちろん、発祥地の中国で開催を予定していた大会は軒並み中止や開催地の変更を迫られ、サッカー女子ワールドカップはアメリカに変更された。女子バスケットボールのアジア地区予選は、翌年1月に大会期日が延期されて開催に至るのだが、ここでは準決勝で宿敵韓国を再延長の末に破り、見事に五輪出場権を獲得した。メディアが仙台の奇跡と報じたことを思い出す。

 監視機能働かず

 世界中で猛威を振るっている新型コロナは、SARSの時とは異なり、国内での感染者を爆発的に増加させている。致死率は低くともその感染力は高く、感染者数の数はSARSの時の比ではない。国内感染者の急激な拡大は、対応策が後手に回り続けて、もともと計画されていたはずのサーベイランス(監視)機能すら働いていない状態に陥っていたことによるものである。延期された東京オリンピック・パラリンピック競技大会も、延期の先に確実な安全・安心が担保されているわけではない。

 大規模なイベント開催時に限らず、平時から感染症対策が重要であることはもちろんだが、国際的なスポーツ大会での感染症拡大は、重大なリスクとして大会運営計画の対策要件と捉えられるべきものである。リオ五輪時には、ジカ熱の発生を危惧して、さまざまな風評も飛び交う始末になったことに加えて、一部参加選手の中には出場辞退を表明する選手も現れていた。幸い、ジカ熱に関しては危惧するような事態にはならなかったものの、感染症はノロウイルス感染やレジオネラ感染などの集団感染も含めると、意外に発生例は多いのである。

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