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福井の旅館「泊まり放題」2日で完売 観光・飲食、窮状打開に秘策

 苦境にあえぐ観光業や飲食業の事業者が「あの手この手」で新型コロナウイルスによる窮状を打開しようとしている。旅館泊まり放題など珍しい企画もあり、家族や地域の身近な関係を見つめ直すことで、顧客をつなぎとめようと躍起だ。

 福井県あわら市の旅館「グランディア芳泉」は、約5万円支払えば1カ月間泊まり放題(朝食付き)のキャンペーンを3月に打ち出した。祝日と日曜の前夜を除けば随時、泊まれるプランで、限定10組が2日間で完売。購入者の多くは県内の家族連れで「普段から一緒の家族といても、旅館だと特別感でわくわくする」と好評だった。

 第2弾は個室露天風呂付きの豪華な部屋で1カ月12万~18万円。同旅館の山口高澄常務の会員制交流サイト(SNS)をフォローした上で申し込む。「外出自粛ムードが高まる今だからこそ、旅館という非日常的な空間で、家族や仲間との絆を強めてほしい」(山口常務)

 静岡県富士市のエビ料理専門店「シュリンプス」は、毎週月曜日の夜、1家族限定の貸し切りサービスを実施中。不特定多数の人がいる場所を避ける動きが広がる中、家族でゆっくり食事できるのが魅力。「臨時休校で子供を預かってくれた祖父母へのお礼の食事会など、使い方はさまざま」(大野麻記子店長)で4月の予約も順調だ。

 同県伊豆市は4月から、市内の飲食店で3000円分利用できる市民限定の商品券「伊豆市で食っ得券」を2000円で販売する。市の観光商工課は「当分、観光客を呼び込むのは難しいが、せめて市民限定の商品券で地元経済を回せれば」と期待する。

 コーヒー1杯にトーストやサラダなどが付くボリュームたっぷりのモーニングで知られる愛知県の喫茶店文化。街づくり事業を手掛ける名古屋市の「R-pro」(アールプロ)は客足が遠のいた喫茶店を支援するため、各店のコーヒーチケットをクラウドファンディングのサイトで販売している。

 店側も常連客に「来てください」と言いにくいが、インターネットで購入できれば感染が終息してから来店、利用してもらえる。経営が厳しい中、店側は売り上げを「先取り」できるメリットがある。同社の岡本直人代表取締役(42)は「購入者は『落ち着いたら、おいしいコーヒーを飲みに行こう』と楽しみに待っていてほしい」と話す。

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