経済インサイド

名門アパレルが“三重苦”で窮地 米中の「モノ言う株主」に翻弄 (2/2ページ)

 一方、平成27年に英ブランド「バーバリー」のライセンスを失い、再浮上のきっかけをつかめずにいる三陽商会にも、身売り観測が浮上している。

 同社は2月21日に、令和2年2月期(決算期変更のため14カ月の変則決算)の連結業績予想を下方修正した。本業のもうけを示す営業損益は、実に4期連続となる27億円の赤字。1月1日には岩田功社長が責任を取って取締役に降格し、中山雅之取締役兼常務執行役員が後任に就いた。

 そうした状況に業を煮やしたのが、株主の米投資ファンド、RMBキャピタルだ。昨年12月には、三陽商会の取締役会宛てに身売りを検討するよう求める書簡を送付した。

 RMBは「モノ言う株主」として知られるが、平成30年の株式取得からしばらくは目立った動きをしていなかった。そのRMBが身売り要求に出たのは、それだけ業績不振が深刻だと受け止めているからだ。

 RMBは売却先の具体名に言及していない。ただRMBの細水政和パートナーはインタビューで、「ポール・スチュアート」でライセンス契約を結んでいる三井物産や、経営再建を遂げて30年に再上場した同業のワールド、かつての提携先であるバーバリーを挙げている。

 RMBが売却提案を認めた翌日の2月13日、三陽商会は協議はしていないとする声明を出した。だがRMBは5月の株主総会で社外取締役派遣を提案し、経営への関与を強める考え。出資比率は約6%にすぎないが、賛同する株主が相次ぐ可能性は否定できない。レナウン同様、新経営陣は背水の陣の覚悟で再建に臨む必要がある。(井田通人)

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