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6G、5年後に主要技術確立へ シェア3割目標、国際競争力確保狙う

 総務省の有識者会議は8日、第5世代(5G)移動通信システムの次の世代である「6G」の実現に向けた総合戦略の骨子案を示した。財政支援や税制優遇などで研究開発を促進し、5年後に主要技術の確立を目指す。5Gの競争で出遅れたこと踏まえて先手を打ち、6Gの普及が見込まれる2030年代に日本企業の基地局などインフラの世界シェアを現在の3倍超の3割に高めるなど、国際競争力の確保を狙う。

 骨子案についての意見を募集した上で、6月にも総合戦略を取りまとめる。令和12年頃の実用化が想定される6Gは中国や北欧などで早くも研究開発が始まっているが、国としての開発目標や取り組みなどを盛り込んだ総合戦略は「世界初」(総務省幹部)という。

 6Gの国際標準規格が定まるのはまだ先だが、必要な機能として通信速度と多数同時接続数が5Gの10倍、情報伝達の遅れは10分の1と設定したほか、消費電力も現在の100分の1にすることが必要とした。「海中や空、宇宙などあらゆる空間で遅延なく安全に使える通信インフラが求められている」からだ。

 骨子案では6Gを「国家戦略」と位置付け、「官民一丸で戦略的に取り組むことが重要だ」と明記した。政府は大胆な規制緩和や集中的な資金支援で早期の技術確立を促し、この先、国際標準が策定される際には「国益に沿った技術要件を反映させたい」考えだ。

 今後は産官学の連携組織を立ち上げ、戦略目標の達成に向けた取り組みを検証したり、海外企業との国際連携の体制づくりなどを推進したりする。12年時点における6Gの特許の世界シェアの目標も10%以上を目指す方針を示した。5Gではインフラと同様に知的財産でも日本勢は見劣りしており、巻き返しを狙う。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレワークや遠隔教育などの導入が進む中、8日の有識者会議では「さらに高度な通信を実現する6Gへの期待感も大きくなっている」との声が相次いだ。また、米巨大IT企業などが毎年膨大な開発投資を行っていることなどから「海外企業との競争に勝っていけるか、十分に目配りしなければならない」との声も出た。(万福博之)

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