金融

「厳しい時期、存在価値問われる」 埼玉りそな・福岡聡新社長に聞く

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中小企業の資金繰りが心配されている。4月に就任した埼玉りそな銀行の福岡聡新社長に、経済の現状や今後の対策について聞いた。

 --就任早々、難局の中でのかじ取りになる

 「分社化の立ち上げから埼玉りそな銀行に関わってきた。地域とお客さまのお役に立つという果たすべき役割はこれまでと変わらない。厳しい時期だからこそ、われわれの存在価値が問われている」

 --埼玉県内経済の現状は

 「緊急事態宣言の発令の前から人の移動や消費の縮小、インバウンド(訪日外国人客)需要の冷え込み、サプライチェーン(部品の調達・供給網)の寸断が起きており、幅広い業種や業態に影響が広がっている。特に飲食・宿泊業、製造業、運輸業の相談が多い」

 --埼玉県は、営業自粛に協力した企業に対する「協力金」などの補償がない

 「お客さまはとても不安だと思う。できる部分で資金繰りを支えていく。資本をサポートすることで、地域や雇用を支えたい」

 --どう顧客をサポートしていくのか

 「お客さまへのきめ細やかなサポートが重要だと思っている。資金繰り相談窓口を全店舗に開設し、休日も17拠点で対応している。200億円の支援ファンドも立ち上げた。10万社の取引先だけでなく、取引のない企業にも資金繰りなどのヒアリングを行っている。制度融資の手続きを迅速にするため『経営安心応援チーム』を立ち上げた。県内4地域に人員を配置し、各店舗をバックアップする」

 --新型コロナウイルスは収束の見通しが立たない

 「全く見えない。一層のデジタル化や働き方改革などが進む可能性がある。われわれは『当面の危機』『収束後』『中長期』の3つの観点から取引先の課題を考えていかないといけない。資本・財務構造改革を含んだ融資や、労働力不足を想定したデジタル化の推進など取引先の将来を見据えたアドバイスも行っていく」(黄金崎元)

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