セールスフォース・ドットコム専務執行役員・千葉弘崇さんに聞く
--法人向けに、インターネットでデータ管理する「クラウドサービス」による業務システムの開発や販売、保守を行っている
「当社は1999年に米サンフランシスコで設立され、翌年には日本でも事業を開始した。全世界で15万社以上、あらゆる規模、業種で顧客がおり、年1兆円以上の売り上げがある」
--国内で最近、地方での事業にも力を入れる狙いは
「ようやく都市部でブランドが確立してきたので、4、5年前から全国展開を始めた。地方の企業にもサービスを提供したい」
--地方のデジタル化の現状は
「意欲のある企業はあるが、具体的なノウハウを提供できる業者が少ないので、実現可能性が都市部より低い。少数精鋭で競争力を高めたいという気持ちは地方の企業でも同じ。『優しいデジタル化』『実行可能なデジタル化』を実現するような取引を進めている」
--高齢の経営者はデジタル化に拒否感もあるのでは
「一個人としてはスマートフォンなどを使っていたりするので、その延長で企業の業務システムにも使えるということを強調している。全国各地に『ユーザー会』があり、そこで仲間を紹介してもらったりもしている」
--コンサルタント会社との違いは
「ビジネスとテクノロジーの両面からアドバイスできるよう努力している。テクノロジーだけ知っても、どうビジネスを進めていけば分からないということでは、顧客が望む経営はできない」
--今後の展開は
「実行できるデジタルトランスフォーメーション(デジタル技術による事業変革)に向け、全国津々浦々1社でも多くの企業が事業発展できるようお手伝いしたい」
【プロフィル】千葉弘崇
ちば・ひろたか 明治大経営卒。外資系ハードウエアメーカー、外資系コンサルティング会社を経て、2008年にセールスフォース・ドットコム入社。コマーシャル営業本部営業マネジャー、常務執行役員などを歴任し、18年2月から現職。東京都出身。