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在宅奨励が潤したたばこ産業 気晴らし喫煙増加・買いだめで増収

 たばこ大手企業が、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)にもかかわらず、売り上げを維持している。多くの業種が苦戦する中で、在宅勤務中の喫煙が増加していることが追い風となっている。

 「クール(KOOL)」を製造する英インペリアル・タバコは3月31日、予想通りの売り上げを達成し、ウイルス感染拡大は業績に悪影響を与えなかったとした。また「ラッキーストライク」や「ケント」のブランドを持つ英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)も3月中旬に同様の発表をしている。

 ニコチン依存をベースとするたばこ産業には、アルコール飲料や菓子といった他の産業とは対照的な根強さがある。商店やバーがシャッターを下ろし、消費者が自宅でインスタント食品を食べて過ごす中、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブからスイス高級チョコレート大手のリンツ&シュプルングリーまで、多くの企業が業績予想の下方修正を余儀なくされている。

 これとは逆に、米国のたばこの週間小売売上数量は1~2月、平均6.8%の減少と低迷していたが、その後増加に転じ、3月22日までの1週間は1.1%の増加となった。金融サービス会社、パイパー・サンドラーのアナリスト、マイケル・ラベリー氏は数量の増加要因について、缶詰などと同様にたばこの買いだめが進んでいる可能性や、たばこを吸えないレストランや会社、バーなどよりも家で過ごす時間が増えたことで喫煙量が増加している可能性を指摘する。

 自宅で隔離状態にある消費者が退屈とストレス、不安にさいなまれる中、フランスなどでは食料や薬品などの必需品を売る店と並んでたばこ店が営業を続けており、たばこの消費はこの先も堅調に増えそうだ。インペリアル・タバコや、今年1桁台後半のEPS(1株当たり利益)の伸びを予想するBATの株価は大きく値を上げている。

 米投資銀行ジェフリーズのアナリストのオーウェン・ベネット氏は「喫煙者はがんやその他健康に深刻な影響が及ぶ危険を自ら冒しているのだから、新型コロナウイルスによる肺炎にも恐怖を感じることはほとんどないとみている。ただ、電子たばこ部門には感染拡大の影響が出ている。健康への懸念から、新たに使用を習慣づけるのはやめようという消費者が多いためと思われる」と述べた。

 インペリアル・タバコを傘下に収める英インペリアル・ブランズも2月、今年の利益がわずかに下がると予想している理由の一つとして電子たばこの収益減を挙げている。(ブルームバーグ Corinne Gretler)

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