テクノロジー

上空からの情報ニーズが急増 ドローンや衛星で移動制限の地上活動補完 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ドローンなどを使った上空からの情報収集サービスの需要が急増している。制約がかかる地上での活動を補完できる利点があるためで、食料供給の管理からM&A(企業の合併・買収)に至るまでさまざまな分野で活用が広がっている。

 食料追跡や資産査定

 人工衛星やドローン、気球、携帯電話の位置情報データなどを利用して地上の活動を分析する米ベンチャー、オービタルインサイトには、食料の生産・流通の追跡依頼の件数が過去2カ月で約2倍になった。

 これまで同社への依頼は貨物船が出港する時期や空港の混雑状況などのデータ収集が主だったが、食料品店、卸売業者、流通センターなどの追跡に関する依頼が急増しているという。

 同社のジェームズ・クロフォード最高経営責任者(CEO)は「私たちは、サプライチェーン(供給網)管理者、金融機関、政府機関がこれまで聞くまでもないと考えていた疑問に対応している」と話す。

 同社が提供している衛星画像などのサービスは、企業や政府が公開しているデータ以外の「オルタナティブ(代替)データ」と呼ばれ、パンデミック(世界的大流行)に対応した人やモノの移動制限により世界のサプライチェーンが混乱する中で重要性を増している。

 こうしたサービスを必要とするのは、サプライチェーン管理者だけではない。M&Aを模索する企業もオルタナティブデータの活用に目を向けている。

 多くのM&A取引では入札者が現地に赴いて物件や周辺環境を調査した上でデューデリジェンス(資産査定)を行うが、移動の自由が制限される中で現地での見積もりは困難になっている。こうした中、査定の新たな代替手段として浮上しているのがドローンだ。

 米香水大手コティは、ネイルブランド「OPI」などを擁するプロフェッショナル事業部の売却を検討しているが、買い手の企業との間で、ドローンで撮影した生産施設の画像の分析を通じデューデリジェンスを実施する計画だ。

 供給不安の芽を摘む

 英蘭系食品・家庭用品大手ユニリーバはオービタルのサービスを通じ、原材料の生産から流通までのトレーサビリティー(履歴管理)を改善したい考えだ。同社はウェブサイト上で情報を自動収集する「クローラー」と呼ばれる技術や人工知能(AI)などを活用して原材料の供給業者や配達状況をくまなく調べ、供給不足など潜在的なリスクを把握することに注力している。

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