経済インサイド

家庭用プリンターでオタク応援、キヤノンが“同人誌作戦” (2/2ページ)

 同人誌はニッチな分野でもあるが、各社が関心を寄せるのは国内の家庭用プリンター市場をめぐる厳しい状況が背景にある。IT調査会社「IDC Japan」(東京都千代田区)の市場予測によると、国内で主に家庭で使用されるインクジェットプリンター(複合機も含む)は、(1)スマートフォンの普及によるプリント機会の減少(2)電子メールやソーシャルネットワークなどの影響による年賀状の減少(3)機器の性能が成熟化したことに伴う買い替え期間の長期化-などの影響で、出荷台数が継続的に減ると分析。出荷額も平成30~令和5年の間で4.8%減少すると予測している。

 その一方で明るい兆しがないわけではない。キヤノンが4月23日に発表した2年1~3月期連結決算で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅勤務・学習の増加でインクジェットプリンターは販売台数が伸長した。

 一時的な特需でもあり、年間でみると新興国の景気減速予想で需要減となる見通しだが、家庭用プリンター市場で新型コロナの影響を逆手に取れる可能性はある。

 同人誌市場をめぐっても、新型コロナでヒト、モノの動きがなくなる中、オンライン上で「エア即売会」などとして仮想イベントを開く動きが出ている。同人誌の印刷需要も引き続き見込める。

 藤長さんは「キヤノンが同人市場に攻めてきたと受け止められたくない。同じ仲間として同人作家を応援したい」と強調する。同人作家たちの熱い思いが家庭用プリンター市場を救う一助となるのか注目だ。(経済本部 桑原雄尚)

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