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「食料基地」北海道が需要減に悲鳴 生乳・ホタテ打撃で収入目減りし生活に支障

 新型コロナウイルスの感染拡大で「食料基地」とされる北海道の1次産業への打撃が表面化している。学校の休校や飲食店の休業が長期化したことで、給食の牛乳などに使われるはずだった生乳の需要は一気に減少。海産物も中国などへの輸出が低迷し価格が下落した。生産者からは「生活に支障が出始めた。死活問題だ」と悲鳴が上がる。

 「生乳を廃棄する事態は避けたい。これからどうなるのか」。豊頃町で乳牛約430頭を飼育する鈴木健司さん(35)は不安を隠せない。

 道内の生乳を乳業メーカーに販売する「ホクレン農業協同組合連合会」(札幌市)によると、メーカーには生乳を加工用に多く使用してもらっているが、各社の工場はフル稼働に近い状態。この傾向が続けば、生産者が受け取る乳価にも影響が出てくる可能性もあるという。

 北海道では牛が春の出産を終えた5、6月が生乳生産量のピーク。乳牛は毎日搾乳しないと病気になるため生産調整は困難だ。ホクレンの担当者は「厳しい状況だが業界で一致団結して耐え忍ぶしかない」と語った。

 中国などで人気の道産ホタテにも影響が及ぶ。ホタテ漁が盛んな別海町の野付漁協によると、輸出の不振だけでなく、飲食店の休業なども追い打ちをかけ4月下旬の単価は昨年比2割以上下がった。冷凍加工も追い付かず、通常よりも水揚げを減らさざるを得ないという。同町の漁港でホタテを水揚げしていた山崎忠雄さん(61)は「収入は昨年と比べて4割ほど減ってしまった」とため息をつく。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、国内の2月の水産物輸出額は、昨年と比べて4割程度減った。北海道事務所の担当者は「中国は感染拡大が終息しつつあるかもしれないが経済の回復には時間がかかる。海産物の輸出不振はまだまだ続くだろう」としている。

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