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第一生命HD 上場10年で進化 次は「人」に投資

 第一生命ホールディングス社長・稲垣精二さん(57)

 --4月に新規株式公開(IPO)から10年の節目を迎えた

 「(上場後の)最大の転機は2015年の米国市場への参入だ。株式市場から2500億円を調達し、(米中堅生保)プロテクティブを買収した。当社の最終利益に占める海外事業の比率は2割を超えており、買収によって不連続な成長を遂げることができた。株主がいるか、いないかでは緊張感は違う。上場企業になって経営のスピードは上がった」

 --7月に人事制度を改定する

 「この先はもっと『人』を考えることで進化していきたい。その担い手となるグループ全体で7万人の社員が生き生きと働ける会社にする。管理職、役員を目指すキャリアプランだけでなく、さまざまな専門性が光り輝くような会社にしたい。それが結果的に契約者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)向上につながる」

 --若い世代を取り込むには

 「少額短期保険会社の2020年度中の事業開始を目指す。チャットでのやり取りを通じて、ニーズを把握し軽量な保険商品を案内する場合もあるし、コンサルティングやより大型の保険商品のニーズが高いと判断した場合は営業職員など他の販路につないでいく」

 --今後のデジタル戦略は

 「デジタル技術がないと今後は戦えない。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が増えている中、デジタル空間でさまざまな取引を行う傾向は強まるだろう。デジタル戦略の強化のため、2つの部署を新設した。デジタル空間で顧客とのつながりを作ったり、ベンチャー企業との連携も進めたりする。一方で、当社最大の強みはリアルの営業職員による販路だ。デジタルとリアルの両方を結びつけることが重要だ」

【プロフィル】稲垣精二

 いながき・せいじ 慶大経卒。1986年第一生命保険入社。経営企画部長、取締役常務執行役員などを経て、2017年4月から現職。第一生命保険社長兼務。愛知県出身。

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