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化学・合繊大手6社が減益 20年3月期、車向け素材低調

 三菱ケミカルホールディングス(HD)や東レなど、化学・合繊大手6社の2020年3月期連結決算が28日出そろった。新型コロナウイルスによる経済停滞で、自動車向け素材などの販売が落ち込み、6社全てが減収減益となった。

 三菱ケミカルHDは最終利益が前期比68.1%減の540億円となった。世界的に生産が落ち込んだ自動車向けの樹脂などが振るわなかった。旭化成はタイヤの合成ゴムの販売が減少。三井化学は自動車向け素材が低調、住友化学は石油化学品原料の価格下落が響いた。

 東レは米中貿易摩擦や暖冬の影響で繊維の販売が減った。帝人は主力医薬品をめぐり、欧米で後発品が発売されたことが打撃となった。

 三菱ケミカルHDや東レは21年3月期も減収減益になると予想した。住友化学や旭化成は新型コロナの影響が不透明だとして業績予想を未定とした。

 東レと帝人は航空機の機体に使われる炭素繊維も手掛けており、コロナによる航空機生産の減少に危機感を募らせた。東レの阿部晃一副社長は「(今後)生産調整は免れない」と指摘し、帝人の園部芳久最高財務責任者(CFO)も「車や航空機向け素材事業の減収減益は不可避」と述べた。

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