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仏が自動車に80億ユーロ注入 「歴史的な業界支援策」EV国内回帰を促す (1/2ページ)

 フランスのマクロン大統領は5月26日、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けている自動車業界に対し、総額約80億ユーロ(約9440億円)に上る支援策を実施すると発表した。ルノー向け融資50億ユーロへの政府保証の提供も含まれる。製造業の国内回帰を促すことで、2025年までに電気自動車(EV)など電動車の国内生産を年間100万台に増やすことを目指し、購入補助金を7000ユーロに拡充するほか、苦境にある自動車部品メーカーも助成する。

 ルノーとPSA誓約

 マクロン大統領は「これは歴史に残る状況に立ち向かうための歴史的な計画だ。国家の資金だけでこれほど意欲的なEV支援体制を持つ国は欧州内に他にない」と強調した。

 今回の大統領の発表は自動車部門が仏経済で果たす重要な役割と、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で同部門がどれほど打撃を被ったかを明らかにしている。自動車業界は国内で40万人を雇用し、仏全土に約30の自動車および部品工場が点在している。

 自動車業界支援策はルメール経済・財務相が数週間前に約束していた業界支援策3本柱の一つで、政府は既に観光業界向けに180億ユーロの支援策を明らかにしているほか、航空業界の救済にも動いている。

 EV、ハイブリッド車(HV)など低公害車の新車購入と買い替えに対する補助金拡充は、販売代理店が閉鎖され、消費者が自宅待機していたロックダウン(都市封鎖)中に購入されなかった40万台の在庫の一部販売を後押しするはずだ。

 マクロン大統領によれば、需要を下支えするための取り組みには10億ユーロ以上かかるという。大統領は「機械を再稼働し、在庫を減らさなければならない。環境に優しい車を中心に、国民が今後数週間にもっと自動車を購入する必要がある。2年や5年、10年以内ではない。今だ」と訴えた。

 マクロン大統領は自動車業界に支援の交換条件として生産と研究開発を国内にとどめる誓約を求め、ルノーとグループPSAは電動車・同部品の国内生産を増やすと約束した。ルノーと日産自動車は、電気モーターを中国でなく仏国内で製造する方針という。

 ルノー向けの50億ユーロの政府保証融資については、モブージュなど2工場について労働組合との合意が成立するまで最終決定は行われない。

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