広報エキスパート

サッポロビール 心動かす「物語」として情報発信 (2/2ページ)

 --広報部の体制は

 社内外への情報発信を担う広報室(8人)と、各工場やサッポロビール博物館(北海道札幌市)、ヱビスビール記念館(東京都渋谷区)などの見学施設運営や日本ビール検定・社史を担うビール文化コミュニケーション室(4人)の2室から構成されています。情報発信で心掛けていることは、「物語」として伝えていくこと。新商品一つとっても、どんな社員の発想の下、商品化までの苦労や、工場など現場スタッフがどんな思いで製造に取り組んできたのか、営業現場ではどのような努力があったのかを広報としても、心を動かす「物語」としてきっちりお客さまに発信したいと思っています。

 --グローバル広報に注力しています

 06年にカナダ国内ビール生産量第3位のスリーマン社を傘下に。売り上げも順調に推移しています。ベトナムでは、11年に工場を設立しました。ホーチミン市内で行っている調査ではターゲット層ユーザーの認知率が昨年、約97%に達しました。専任の広報担当者も置いています。今後は国内、海外の情報共有をより密に行い、社内広報を充実することでグローバルな人材育成も強化していきます。

 --サステナビリティーの取り組みは

 昨年末、サステナビリティー方針「大地と、ともに、原点から、笑顔づくりを。」を策定。地球環境や社会課題に向き合い、大地の恵みに感謝し、社会とともに歩み、開拓者の自負を持って持続的な事業活動を行っていこうという思いを込めています。

 --改めて広報への思いを

 情報が氾濫し、瞬時に情報が流れる時代、広報として伝えたいことは、ヒトがモノを作り、そこには必ずストーリーがあるということ。サッポロビールに行けばいい話が聞けるよ、記者さんからそう思ってもらえるような日ごろからの信頼関係を築いていきたいと思っています。(エフシージー総合研究所 山本ヒロ子)

【プロフィル】小林勇立

 こばやし・ゆうる 1989年同志社大文卒、サッポロビール入社。支社営業、宣伝部、ブランド戦略部、首都圏流通営業部、サプライチェーンマネジメント部などを経て、2015年サッポロホールディングス広報室長。18年同コーポレートコミュニケーション部長。20年3月から現職。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus