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タクシー業界が配達代行に活路 感染リスク避ける消費者にアピール

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、タクシー事業者がスーパーなどの商品の配達を代行する動きが広がっている。外出に伴う感染リスクを減らしたい消費者と、売り上げ減少の挽回を図る事業者の双方にメリットがある新サービスだ。コロナと共生する「ウィズコロナ」時代のスタンダードへと成長する可能性もある。

 埼玉、群馬両県などでタクシー事業を展開する「朝日自動車」は、同じグループのスーパー「東武ストア」と協力し、食料品の配送サービスを埼玉県内で始めた。

 東武ストアの新田店(草加市)と蒲生店(越谷市)の商品を近隣の利用者に届ける。注文は1回3千円以上、配送料は500円で、利用者は前日夕方までに電話かファクスで利用を申し込む。

 朝日自動車の担当者は「タクシーの利用が減っており、少しでも減収分を補いたい」。スーパー側にとっても混雑緩和と販路開拓という「一石二鳥」を狙うことができるサービスとあって、「高齢者や妊婦が安心して買い物をする環境を提供できる」(東武ストア関係者)と期待は大きい。

 一方、さいたま市などで営業するタクシー会社「平和自動車」は、飲食店での商品持ち帰りや薬局での薬の受け取りなどを代行するサービス「おつかいタクシー」を始めた。

 店舗側に「タクシードライバーが受け取る」と伝えた上で平和自動車にサービスを依頼し、商品と引き換えに、代金とタクシー運賃、迎車料金をドライバーに支払う仕組みだ。

 平和自動車の担当者は「感染リスクが気になる高齢者らに代わり『おつかい』をする。気軽に利用してほしい」と話す。

 感染拡大を受け、国はタクシーの貨物運送を5月までの時限措置として特例的に容認し、需要の高まりを背景に9月までの延長を決めた。利用が定着していけば、将来は「配達タクシー」が日常的な配送手段の一つになるかもしれない。

(中村智隆)

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