動き出した働き方改革

橋下徹氏×石橋博史氏(2-2)付加価値生む余裕のある働き方 (1/2ページ)

 業務の見える化が必要

 橋下「なるほど。ちなみに、働き方における『見える化』というのは、どういうところを見て、どういうふうに『見える化』していくのですか」

 石橋「企業には方針があり、その方針に沿って結果を出そうとします。そのプロセスに当たるのが情報処理だといえます。先ほども言いましたが、モノの場合はラインがあったりして生産工程が目で分かるんですが、情報の場合は目に見えないんですね。プロセスが分からないということなんです。IoTのように今や情報がいろいろな事象を管理していく時代になっています。ですから、ますますこの情報処理分野でのプロセスの『見える化』が重要になってきます。もちろん、他のさまざまな分野の情報に関しても『見える化』は適応できます」

 橋下「ホワイトカラー業務の8割くらいはこれからのITシステムやAIの活用で自動化できるといわれます。そうした業務をITシステムに任せることによって、働く人の時間に余裕を持たせ、その余裕時間を付加価値を生み出すことに費やすことができると。これはマクロ的、抽象的に語られるストーリーですが、石橋さんから見たミクロ的な視点ではどうですか」

 石橋「これは実績がないといえないことなんですが、今回の日本働き方会議の『基盤づくり』では作業分析や業務分析が1つの単位で見えるプログラムを採用しているんです。そこには『時間』というモノサシも入っているので、まさに業務を『見える化』して定量化し示すことになります。問題が分かりやすくなるんです。長年における実践と経験から、現実が見えるようになったという実感があります。これまでのIT化はメーカーやベンダー主導で進められてきましたが、そういったケースの多くは『見える化』のプロセスを踏んでいないのでうまくいかないんです」

 橋下「そういう現場のミクロ的な視点に気付かない経営者は、IT導入の前にまず業務を『見える化』する必要性が思い浮かばないかもしれません。今回のコロナ問題に起因した9月入学制も旧態依然とした政府、文科省の考え方が邪魔をして、なかなか前に進まない。これと同じで、このままの働き方でいいじゃないかと思う経営者も多いでしょうね。でも、これからは働き方改革をやらざるを得ない状況になるわけで、その際は、経営者に『じゃあ、こういうふうにしましょうよ』という具体的なアドバイスをしてあげることが必要で、それがこの働き方会議の役割だと思うんです」

 意識改革と先見性訓練

 石橋「そこのところは、やはり経営者の意識改革と先見性ということになりますが、そうした訓練の機会が得られる場所をこれからどんどん提案していこうと思っているんです」

 橋下「それはいいことですね。生産性向上は、少子高齢化時代に突入するこれからの日本経済にとっては絶対必要なことです。今の時代は、生活必需品というよりも、それ以外の財とサービス、すなわち生活には必要のない財とサービスで経済が回っているという記事を読んだことがありますが、確かにそうですね。観光、ファッション、グルメ、エンタメ、その他趣味の分野などなど。その分野の付加価値を高めるためには働く人が、余裕のある働き方をする必要があります。つまり、いわゆる仕事をする時間を短縮して、その他のプライベートな時間を有意義に過ごすことが大事になってくると」

 石橋「その通りです。私は働く人の1日を3分割して考えているんです。そのうちの3分の1が働く時間、3分の1が自分の時間、3分の1が睡眠時間となりますが、仕事の密度が高い価値のある仕事ならば、8時間働けばもうクタクタなんです。8時間働けばもう十分ですと。そこで、先ほど橋下さんが言われたルーティンワークの80~90%を自動化することによって仕事を効率化する、先ほども言いましたが、これはもう実現可能になっています」

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