話題・その他

幻のゴボウ「はたごんぼ」販売所が再開 和歌山・橋本

 戦後に一時流通が途絶え“幻のゴボウ”と呼ばれた和歌山県橋本市西畑地区の特産「はたごんぼ」の販売所「くにぎ広場」が、新型コロナウイルスによる臨時休業を経て再開した。はたごんぼや関連商品などを販売し、新たに飲食スペースを整備。アルコール消毒液を設置するなど感染防止対策も充実させた。運営する地元の農事組合法人は「はたごんぼを一層PRしたい」としている。

 はたごんぼは味や香りが良く、大きなものは長さ約1メートル、直径6~7センチにもなる大型のゴボウ。市などによると、栽培の歴史は江戸時代にさかのぼる。手間がかかるため戦後は自家用のみ細々と栽培され、商業的な流通が途絶えた。

 そんな“幻のゴボウ”を復活させようと、地元住民らが平成25年、農事組合法人「くにぎ広場・農産物直売交流施設組合」を設立。栽培による地域活性化に取り組んでいる。

 販売所のくにぎ広場は、はたごんぼの販売やPRの拠点施設として27年、以前の市内の仮設店舗から市を眺望できる高台に移転しオープンした。

 しかし、今年4月16日に新型コロナウイルスの緊急事態宣言の対象が全国に拡大されたことを受け、20日に臨時休業を余儀なくされた。

 それでも臨時休業中に改装工事を進め、今月5日に再開した。

 改装工事では、もともと道沿いの南向きだった出入り口の配置を、日光で商品が傷むのを防ぐため東向きに変更した。

 販売コーナーでは、はたごんぼや、はたごんぼを使った巻きずし、アラレなどの関連商品を販売。ナスやレタスなど地元産の野菜も取りそろえた。

 新たに飲食スペースを整備。12席を備え、カレーやうどんといった軽食が味わえる。飲食販売に力を入れるため、従来は月・火曜だった休日を火曜のみに変更した。

 施設内ではスタッフがマスクを着用。アルコール消毒液も設置するなど感染防止を心がけている。

 岡本進組合長は「はたごんぼのおいしさを、多くの人に味わってもらいたい」と話している。

 営業時間は午前9時~午後5時。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus