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中部電力 社会構造の変化はビジネスチャンス

 中部電力社長・林欣吾さん(59)

 --新型コロナウイルスの感染拡大で働き方を変えた

 「在宅勤務や時差出勤を積極的に取り入れ、お客さまや社員、家族の安全第一を本気で考えた。在宅勤務がむずかしい送配電会社などの現場では時差出勤の徹底など職場の実情に合わせて対応策を考え、実行した。それによってみえてきたことも多い」

 --具体的には

 「時間をかけていた会議もテレワークでも対応できることが分かった。在宅勤務などを今後も継続し、仕事のやり方を大きく変えようと言っている。生産性が上がるのはもちろん、通勤時間がなくなり社員自らが時間をコントロールすることで、ゆとりや豊かさが生まれ、仕事にもプラスに働く。また、社会構造が変わると、そこにはビジネスチャンスもある。慶応大学病院と電力スマートメーターなどを活用した在宅医療の共同研究を1月から始めたが、ICT(情報通信技術)を活用した医療、介護など新サービスの普及は加速していくと思う」

 --コロナ禍で電力需要は落ち込んでいる

 「管内電力需要は4月に約5%、5月に10%超減少した。中部地区は産業向けが多く、楽観できない」

 --浜岡原子力発電所の再稼働審査状況は

 「基準地震動と基準津波の策定で審査が大詰めだ。安定供給や低炭素化には不可欠な電源であり、安全対策について具体的に説明し、地元のご理解を得ていきたい」

 --4月の発送電分離で電力自由化が完了したが、電力間競争なくして自由化は進展しないといわれている

 「ライバルは電力だけでなく、ガス、通信など多い。単に価格だけでなく、新たな価値やサービスとのワンセット営業が当社の武器だ。その考え方を外さなければ、相手がどこでも競争できるし、既に当社も首都圏では供給区域外での営業に力を入れている」

【プロフィル】林欣吾

 はやし・きんご 京大法卒。1984年中部電力入社。執行役員東京支社長、専務執行役員販売カンパニー社長などを経て、2018年6月取締役専務執行役員販売カンパニー社長。20年4月から現職。三重県出身。

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