金融

MS&ADインシュアランス、全損保の作業オンライン化 年度内方針

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス(HD)の社長に25日就任した原典之氏はフジサンケイビジネスアイの取材に応じ、今年度内に一般的な全ての保険商品に関する事務作業をオンライン化する方針を明らかにした。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが増えていることも踏まえ、保険の申込書作成などの事務作業をペーパーレス化し、業務の効率化とコスト削減を図る。

 顧客の契約プランに合わせた保険料の計算や申込書の作成などの事務作業をオンライン化するとともに、来年以降は自動車保険や火災保険について、保険申請後の事故報告の経過などを顧客がオンラインで確認できる仕組みも構築する。

 原社長は「コロナ収束後も社内業務や顧客の非接触志向は続き、デジタル化はかなり進む」と指摘。「世の中が変化するときに新たなリスクが生まれ、そこに適切な補償を提供することがビジネスチャンスになる」と強調した。

 リモートワークが増えたことでサイバー攻撃に備えた保険商品の4~5月の販売は前年同期比で2割増加しているとし、今後はデリバリーサービスやロボットなどの活用で生じるリスクに備えた保険商品を開発する考えも明らかにした。

 また、利益に占める海外・生保事業の比率を現在の46%から2021年度までに50%に高める目標については、新型コロナの影響で海外事業の苦戦が続くと予想し、「目標を後ろ倒しにせざるを得ない」との認識を示した。

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