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AIベンチャー急拡大のひずみ 管理部門の人材不足が深刻

 人工知能(AI)関連を中心にベンチャー企業数や資金調達規模が急速に増加し、経理や法務など管理部門のベテラン人材が業界全体で足りていない。エルピクセル(東京)の業務上横領事件は、こうした業界急拡大のひずみが露呈したとも言える。

 ベンチャー企業の1社当たりの年間資金調達額(中央値)は、2019年に1億円の大台を突破した。5年前の約4倍の水準だが、扱う資金量に見合った内部管理体制を築けていない会社が目につく。

 ベンチャー業界に詳しいGVA法律事務所(東京)の小名木俊太郎弁護士は「良好な調達環境が続いたことで(金銭感覚などの)規律が緩んだ面がある」と指摘する。会計士不足のしわ寄せを受け、株式上場を見据えた会社でも、契約を結ぶ監査法人が見つからない事例も増えている。

 エルピクセルでは、経理担当の元取締役一人に資金管理業務を任せたため、チェックの目が行き届かなかった。同社は改善策として内部監査室の新設や監査役の増員を発表した。

 島原佑基社長(32)は「当初予定していた海外展開は資金不足により見合わせる」と肩を落とす。AIベンチャーの有望株が失ったものは多い。業界内の衝撃も大きく、各社が内部管理体制の改善に動くきっかけになりそうだ。

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