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競争激化の配車サービス岐路 ウーバー東京進出、地域縮小企業も

 外国人観光客の増加を追い風に成長してきた配車サービスが転換点を迎えている。配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズの日本法人が3日、東京でタクシー配車サービスを開始し、連携するタクシー会社は新規の利用者獲得に期待を寄せる。だがウーバーが事業を拡大する一方、新型コロナウイルスの影響で営業地域を大幅縮小する企業も出てきた。

 配車サービスは、スマートフォンのアプリに行き先を入力すると近くを走行中のタクシーが迎えに来る。2018年に名古屋市で本格スタートしたウーバーの国内展開は計12地域になった。日本事業の責任者は「モビリティー(乗り物)市場はコロナで甚大な影響を受けた。安全な移動手段を提供したい」と話した。

 アプリに決済手段を登録しておけば、車内で現金の受け渡しが不要になる。混雑することもある電車やバスに比べ、感染の懸念が小さいタクシーの需要は根強いとみる。

 提携する日の丸リムジン(東京)では、最悪期に通常時の3割程度に落ち込んだ売り上げが足元では7割程度まで戻ってきた。富田和宏社長は「アプリを使った予約が入ってくることは心強い」と期待する。

 一方、コロナの直撃を受け、中国系の滴滴出行(ディディ)は11県で7月以降のサービスを突如中止した。14都府県では続けるが、13日からアプリ利用料を別途徴収する。担当者は「拡大路線から収益化を目指す段階に入った」と説明する。

 配車市場の競争は厳しく、タクシー大手の日本交通ホールディングス(東京)とIT企業のディー・エヌ・エー(DeNA)は4月、事業基盤の強化に向け両社の事業を統合した。

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