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第2波へ企業戦々恐々 新型コロナで早期退職の募集増加、新たな対応模索

 東京都の新型コロナウイルスの感染者が連日100人を超え、企業の警戒感が強まっている。百貨店やスーパーなどに臨時休業や営業時間短縮などの目立った動きは現時点で出ていないが、感染者の増加が続けば「第2波」への新たな対応を迫られそうだ。既にコロナの影響で業績不振に陥り、早期退職の募集など合理化を迫られる企業も増えており、感染の再拡大は経済の落ち込みを一段と大きくしかねない。

 在宅勤務は継続

 富士通は今後3年をめどに国内のグループ企業を含めたオフィス面積を半減させることが分かった。在宅勤務を前提にした働き方を続けるためで、賃貸料など経費削減につなげる。

 イオンは「第2波を含めて応対できるように防疫対策の基準をつくった。現状の範囲で対応する」としている。セブン&アイ・ホールディングスも東京都や政府の方針を見ながら、対応を検討する方針だ。

 ある百貨店の担当者は感染者の増加について「再び臨時休業すれば一層の収益悪化は避けられない」と懸念する。大手外食チェーンの担当者は「店内の消毒や来客同士の間隔確保など、できる対応はしてきた。追加の対策は難しい」と話し、感染者の動向に神経をとがらせる。

 自動車大手の関係者は「生産や販売が徐々に戻り始めている。国や東京都は他の地域に広がらないように食い止めてほしい」と語った。

 メーカーなど多くの企業は従業員の感染防止のため在宅勤務を続ける方針だ。東芝は緊急事態宣言中、本社勤務の事務系社員の出社率を5%程度に減らし、解除後も10~15%程度に抑制。ソニーも在宅勤務で出社率は30%程度となっており、時差出勤も呼び掛けている。ガラス大手のAGCは宣言解除後、東京の本社などを対象に原則週3日を在宅勤務とし、出社率を5割以下に抑えている。

 トヨタ自動車は9月以降、在宅勤務の対象社員を広げ、一定の出社義務も撤廃する方針。カルビーも7月、オフィスで働く社員は在宅勤務などのテレワークを原則とする制度を導入した。

 相次ぐ業績悪化

 一方、コロナの感染拡大による収益悪化などで、雇用調整の動きも広がってきた。

 東京商工リサーチによると、2020年上半期(1~6月)に早期退職や希望退職を募集した上場企業が41社となり、対象人数が計7192人に上ったという。企業数はリーマン・ショック後の10年上半期(66社)以来の多さで、41社のうち、募集発表時点で直近の通期決算の最終損益が赤字だった企業は20社と約半数。募集の主な理由にコロナを挙げたのは8社だった。

 業種別では、外出や営業の自粛による消費落ち込みの影響を受けたアパレル・繊維製品が6社で最多。小売りも4社で続いた。生産縮小が続く輸送機器と電気機器もそれぞれ4社だった。

 企業別では、施工不良問題で業績が低迷する賃貸アパート大手レオパレス21が1000人で最大規模となった。ファミリーマート(800人)、住宅機器メーカーのノーリツ(600人)も多かった。

 東京商工リサーチでは、コロナの影響は長引くとみられ、人員削減はさらに増加する可能性もあるとみている。

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