サービス

天然ガスパイプライン売却 米エネ大手ドミニオン、バークシャーに

 米大手公益企業ドミニオン・エナジーは5日、天然ガスパイプラインと貯蔵資産の事実上全てを保険・投資会社バークシャー・ハサウェイに40億ドル(約4300億円)で売却するとともに、バークシャーが57億ドルの債務を引き受けると発表した。

 取引は10~12月期(第4四半期)に完了する見通し。エネルギー省など連邦当局の承認が必要となる。ドミニオンは売却益のうち30億ドルを自社株買いに充てる方針としている。

 別の発表資料では、パートナーのデューク・エナジーとともに、米東海岸で論争を呼んでいる天然ガスパイプライン・プロジェクト「アトランティック・コースト・パイプライン」の中止を決めたと発表した。計画の遅れとコストの不確実性増大を理由に挙げた。

 公益企業に対しては地方政府や、投資家、環境団体などから「脱化石燃料」の圧力が高まっている。かつて天然ガスは石炭や石油に代わるクリーンなエネルギーとして歓迎されていたが、最近では電源の脱炭素化に向けた法案がバージニアやニューヨークなど各州で相次ぎ可決されたことで淘汰(とうた)が進んでいる。

 ドミニオンのトーマス・ファレル最高経営責任者(CEO)は声明で2050年までに二酸化炭素(CO2)の純排出量をゼロにするとの目標を示したうえで、「今回の取引は当社の発展における重要な第一歩だ」と力を込めた。

 ただ、ドミニオンは天然ガス事業から完全に撤退するわけではなく、メリーランド州のコーブポイント液化天然ガス(LNG)輸出ターミナルの権益は保有するほか、再生可能天然ガスへの投資を続ける。

 著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーにとっては、今回の取引は16年の金属部品大手米プレシジョン・キャストパーツ以来の大型買収案件となる。バークシャーはドミニオンから約7700マイル(約1万2400キロメートル)以上のパイプラインや、9000億立方フィートの貯蔵施設を取得する。これにより、すでにネバダ州やアイオワ州などで展開している同社のエネルギー事業がさらに拡大する見通しだ。(ブルームバーグ Rachel Adams-Heard、Katherine Chiglinsky)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus