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マスク、手袋、ブルマーまでひんやり 「接触冷感素材」にコロナ特需も

 【近ごろ都に流行るもの】

 コロナ禍で迎えた梅雨。マスクの蒸し暑さを何とかしたい。そこで注目されるのが、繊維の熱伝導や気化熱を奪う仕組みを応用した接触冷感素材だ。ネット通販モール大手に接触冷感マスクの売れ行きを調べてもらったら、なんと前年比の1000倍超え! 夏の寝具やスポーツウエアなどでおなじみの素材も今年は、多彩な「クールグッズ」に登場しパワーアップしている。(重松明子)

 「わっ、これは冷たいです」。防虫効果のある接触冷感素材ポンチョ「虫よけアイスフーディー」(3300円)をかぶった、ロフト広報の高橋祐衣さんが声を上げた。旗艦店の渋谷ロフト(東京都渋谷区)では「クールグッズ」を430種も品ぞろえている。「東京オリンピック観戦需要を見込んで、年明けから仕入れを強化していましたが、3月下旬に延期が決まり、店も臨時休業。これは大変だと不安が広がる中、結果的に仕入れた品はコロナ需要で消費されています」と、高橋さんは胸をなでおろす。

 6月のクールグッスの売り上げは前年同月比167%と絶好調。指先までカバーするロング手袋は「あちこち触れたくない」コロナ禍の“非接触需要”にマッチ。空調服メーカーが開発した座布団は、接触冷感素材ではないがミニ扇風機が内蔵され、お尻の涼しさをキープ。在宅ワークの新需要をつかんだ。

 ジンベイザメの抱き枕(3960円)の口に手を入れると、内部の生地も接触冷感で、アルコール消毒で荒れた手指をクールダウンしてくれる。首枕、多機能に使えるバンダナ(1078円)、品薄のマスク代わりに顔を覆うフード、脚のむくみ防止サポーターなど、接触冷感素材で“全身装備”も可能だ。

 「楽天市場」でも、接触冷感のロングデニムや犬の洋服などさまざまなクールグッズが販売されている。特に接触冷感マスクの流通額は4月から急上昇し、前年同月比で4月が21・3倍、5月は429倍、6月(1~21日までの比較)は実に1057倍に上った。

 春夏にマスクを着けるのは従来、花粉症アレルギーや呼吸器系疾患といった何らかの事情による「顔を隠したい」人に限られていたとはいえ、驚異的な伸びだ。ネット通販という、自宅完結の購入方法もコロナ禍の消費を押し上げた。

 東武百貨店池袋本店でもUV対策手袋「接触冷感 吸汗速乾-COOL&DRY-」(3850円)が売れている。「直接ドアノブなどに触れたくない、というお客さまの声が多い」と広報担当。接触冷感素材は婦人ではカラフルな夏マフラー、紳士ではシャツ、肌着、靴下などアンダーウエア需要が高いという。

 昭和から平成前半まで「ブルマー」と呼ばれていた運動着の名残。女子向けのオーバーパンツ「くろぱん」にも接触冷感「ひんやりメッシュ」タイプ(770~990円)が5月に登場した。冬の起毛素材など「冷え対策」のイメージが強いが、「真夏でも防犯対策の一環で、制服やミニスカートの下に履くことが習慣化されており、より快適に履いてほしい」と製造元の「岡本」(本社・大阪市)のマーケティング企画チーム。

 大手靴下メーカーの同社は5年前に「くろぱん」を発売し累計800万枚を出荷。さらに独自調査で、19~49歳女性の約半数がオーバーパンツ類をはくという実態をつかみ、今年3月に大人体形にフィットする「くろぱん 素肌ごこち」を発売した。はき続ける理由は、身体的・心理的な「安心感」だという。

 肌から生地へ瞬間的に熱が移動して冷感が得られる性能には各社バラツキがあるが、今年2月に日本産業規格(JIS)の「繊維製品の接触冷感性評価方法」が制定され、今後は“お墨付き”も商品選びの参考になる。

 接触冷感素材のマスクが話題のユニクロにも取材を申し込んだが、「夏専用との誤解を招く」との懸念や「品薄」を理由に遠慮された。

 コロナ禍に翻弄される事態にどう対処すべきか…。接触冷感ハチマキでも締めて、頭を冷やして対策を練ろう。

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