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「新常態」対応がコロナで加速 新サービスや商品続々

 新型コロナウイルスの収束が見通せない中、ビジネスの世界では感染から身を守る「非接触」や「タッチレス」が1つのトレンドとなっている。「ウィズコロナ」や「ニューノーマル(新常態)」の時代を見据えて、あらゆる業界で、非接触やタッチレスの新たなサービスや商品の投入が相次いでいる。

 高まるニーズ

 NECは世界一の精度を誇る顔認証技術と体温計測用のサーマルカメラを組み合わせ、公共施設などで来場者の体温を非接触で測定するサービスの提供を始めた。施設内の人数や混雑度も映像で分析し、運営者に状況を通知できる機能も備える。

 NECデジタルプラットフォーム事業部長代理の吉川正人氏は「コロナの感染拡大でタッチレスのニーズは確実に高まっている」との認識を示した上で、「入退セキュリティーや店舗決済など、さまざまな用途で非接触化が加速し、活用の幅がさらに広がる」と予測する。

 パナソニックも非接触に着目し、顔認証とセンサー、監視カメラの3事業を統合し、新組織を立ち上げた。代表取締役専務執行役員の樋口泰行氏は「(コロナ禍で)リモートや非接触の役割は大きい」と述べ、「画像認識の強みを統合的に活用することで今直面する喫緊の課題を解決したい」と意気込む。

 電機メーカーではこのほか日立製作所や三菱電機も非接触の新サービス開発に力を入れる。両社はビルやマンション向けにタッチレスで利用できるエレベーターの提供を始めている。

 フジテックも今月からタッチレスでエレベーターを操作する「非接触ボタン」の適用を拡大した。これまで6階建てのビルまでしか設置できなかったが、改良を重ねて12階建てのビルまで導入できるようにしたほか、片側だけが開くマンション向けやベッドを載せる病院・福祉施設向けにも用途を広げた。

 同社が販売するタッチレスエレベーターは操作盤に赤外線ビーム式センサーが設置され、手をかざすだけで行き先階を指定し、開閉できる。顧客からの引き合いが増えたため、急遽(きゅうきょ)用途拡大を決めたという。

 レストランなど飲食店でも顧客と店員が接触しない取り組みが始まっている。三笠会館(東京都中央区)は今月から玉川高島屋S.C(同世田谷区)の店舗で、「QBIT Robotics」(同千代田区)の自動搬送ロボットを導入し、サラダの配膳を行っている。今後も非接触、非対面で食事を配膳するニーズは高まるとみられ、飲食店などでロボットの活用が広がりそうだ。

 新規参入企業も

 カー用品を製造販売するプロスタッフ(愛知県一宮市)も接触感染を防ぐ新ツールの投入を決めた。電車のつり革やエレベーターのボタン、ATM(現金自動預払機)のタッチパネルなどを指の代わりに触る小型の携行ツールで、全国のホームセンターやドラッグストアで順次発売する。

 広報課長の寺西亮氏は「これまでは自動車内向けの除菌製品を販売してきたが、接触感染を防ぐ便利グッズのニーズが高まっており、新ツールの投入を決めた」と話す。

 市場調査会社BCNの道越一郎チーフエグゼクティブアナリストは「これまで空中ディスプレーなどの非接触商品は面白いという程度で使われてきたが、コロナで新たなニーズが生まれている。まだ実用化に至っていない非接触の商品やサービスも多く、今後、参入企業が増える」と分析する。(黄金崎元)

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