ＮＥＣは１３日、顔認証や映像解析技術で社員の行動を判別し、業務の利便性を高める実証を東京都内の本社ビルで始めた。顔認証の入退場ゲートはマスク着用でも通過が可能で、トイレや食堂の混雑状況はパソコン上で確認できる。デジタル技術の活用でオフィスを変革し、新型コロナウイルス感染症に伴う新たな働き方を推進する狙いだ。
スマートフォンのアプリで社員の顔写真を登録し、同意を得た上でサービスを利用する。各種技術の活用で各部署の出社率や会議数、ファイルの共有使用率などのデータが一目で分かるほか、在宅勤務で難しくなる社員の業務管理もしやすくなる。
感染症対策では、通路に設置した人物検知カメラでマスクの有無を把握し、社員のスマホに着用を促す通知を送信。感染者が出ても蓄積された映像を解析し、濃厚接触者を早期に割り出せるようにした。
以前であれば社員証が必要なコピー機やロッカー、自動販売機も、機器に触れずに顔認証で利用可能で、社内の共有パソコンも画面に顔を映すだけでログインできる。売店も手ぶらで入店でき自動決済される。
ＮＥＣは実証結果を踏まえ、企業向けにシステムの販売を進める方針だ。