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中国の消費者、支出に二の足 外食・旅行などデータが回復の鈍さ示す

 中国が新型コロナウイルスの影響による各種規制から抜け出し始めて3カ月が過ぎたが、世界経済の牽引(けんいん)役が期待される同国の消費者はまだ旅行や支出に二の足を踏んでいる。外出自粛など新たな習慣で消費の形は永久に変わるかもしれない。

 ブルームバーグ・ニュースは中国消費者の「健康状態」を包括的に見るため、不動産支出から外食、ギャンブル、航空旅行に至るまで、さまざまなデータを分析した結果、回復は確かに進行中だが、そのペースは遅く、北京でのウイルス感染再燃のような逆風に対しては弱いことが分かった。

 今年は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)加速により、中国製品に対する世界的需要が落ち込む公算が非常に大きい。そのため、中国の消費者の行動は国内のみならず、世界経済にとっても重要度が増している。今後10年では、中国の消費の伸びは米国と西欧を合わせたのと同程度になると予想されている。

 ブルームバーグ・エコノミクスの舒暢、曲天石両氏は「接触の多いサービスへの打撃となる行動の変化、労働市場での圧力や収入の減少などを考えると、消費の復活は恐らくずっと先になるだろう」と指摘する。

 全てが順調な時には、マカオのギャンブル収入に関するデータは速いペースでの経済成長への自信の表れとなる。今年のデータは、新型コロナ収束には程遠いことをはっきり思い出させるものだ。6月のマカオのカジノ収入は3カ月連続で前年比90%超の減少となった。

 経済活動の指標である旅行データも、回復が不完全であることを示している。高速道路や鉄道の旅客輸送数は依然として前年割れとなっており、多くの人が仕事や観光で長距離移動していないことが分かる。

 6月の連休中の観光は前年比で約半分に落ち込み、北京や上海での地下鉄利用客が例年を下回る水準にとどまるなど、大都市では依然として外出自粛の傾向が強い。

 小売業界にとっての一つの明るい兆しは、海外旅行がほぼ完全にストップしたことなどで、高級品を買い求める消費者が国内にとどまっていることだ。ボストン・コンサルティング・グループによると、中国本土の高級品市場は今年、最大で10%拡大するとみられる。

 中国の景気回復は他国にとって、新型コロナ感染が落ち着いた後に経済需要がどの程度のスピードで戻り得るかの例を示す。しかし同時に、回復は限定的なものになることも示している。(ブルームバーグ James Mayger、Daniela Wei)

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