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自動車業界で進む工場閉鎖 市場縮小や効率化 新技術への投資拡大

 市場の縮小や生産体制の効率化を背景に、自動車業界に工場閉鎖や拠点集約の動きが広がっている。三菱自動車は「拡大戦略に無理があった」(加藤隆雄最高経営責任者=CEO)として、子会社パジェロ製造(岐阜県坂祝町)の工場閉鎖を決めた。電気自動車(EV)など新技術への投資が膨らむ中、各社は合理化を進めて競争力を高める考えだ。

 5月にインドネシアとスペインの工場を閉鎖する方針を打ち出した日産自動車は、稼働率の低下を理由に挙げた。2020年度の世界需要は新型コロナウイルスの影響で前年度に比べて15~20%減ると試算し、過剰な生産能力を将来的に2割削減して年540万台体制とする。

 トヨタ自動車子会社のトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)は、東富士工場(静岡県裾野市)を今年末までに閉鎖すると18年に公表。生産の大半は東北の2工場に移管し、約1100人の従業員は配置転換する。

 ホンダは埼玉県内の完成車工場のうち狭山工場(狭山市)を21年度をめどに閉鎖し、寄居工場(寄居町)に集約する。寄居工場ではEVなど先端技術を実証し、環境対応車の取り組みを強化する。

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