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夏休み序盤、「GoTo」効果は 客足回復は限定的、続く感染拡大に警戒感

 夏休みシーズンに入り、全国の観光地が政府の観光支援事業「Go To トラベル」に期待を寄せている。しかし、序盤の4連休は人出が増えた地域もあったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響から効果は限定的だったようだ。「ホテルで検温はなかった」と話す旅行者もいるなど、宿泊施設やツアー業者による感染防止対策には疑念も広がっている。

 前年同期水準戻らず

 日本三名泉とされる岐阜県下呂市の下呂温泉。連休2日目の24日、宿や土産物店が並ぶ商店街は、浴衣にマスク姿の観光客でにぎわった。地元の旅館水明館のおかみ、滝晴子さん(81)は「新型コロナや豪雨の影響で2月ごろから落ち込んでいた客の入りが初めて平時のレベルに戻った」とほっとした様子だった。

 ソフトバンクの子会社「Agoop(アグープ)」がスマートフォンの位置情報を基に推計した調査によると、連休最終日26日の人出は、軽井沢(長野県)や白浜温泉(和歌山県)などで前週末から増加した。4連休とGoTo効果とみられるが、ほとんどの地域は前年同時期の水準には戻っていない。コロナの感染再拡大で外出を控えた人もいたようだ。

 松山市・道後温泉の老舗旅館は、4連休の宿泊者数が例年の繁忙期の8割程度と「最近では最も好調」(担当者)。ただ緊急事態宣言が解除されて以降、客足は回復傾向にあり「GoToの効果なのかは分からない」と漏らす。

 対策徹底は困難

 GoToが始まってからも感染は各地で拡大。栃木県の福田富一知事は27日「夏休みで人が移動する時期になる」として県独自の警戒レベルを引き上げ、感染対策が不十分な場所を避けるよう県民に要請した。

 国土交通省は宿泊施設などに利用客の検温や住所確認、温泉の人数制限、食事の個別提供といった感染防止策を義務化。「実施されていないと確認されれば、登録を取り消す」(赤羽一嘉国交相)と万全の態勢を強調する。

 ただ事業に参加する宿泊、旅行業者の数は6万と見込まれ、個別のチェックは困難。27日に仙台市のホテルに泊まった利用者は「体調の自己申告はあったが、検温はなかった」と証言する。大分県別府市の温泉旅館は、口頭による発熱の確認にとどめており、経営者は「来てくれた客に検温させてくれとは言いづらい」と打ち明ける。

 「感染予防に協力しない人の宿泊を旅館が拒否するのは難しい」「対策を徹底すれば感染しないというのは神話だ」。28日に開かれた野党会派の会合では実効性を疑問視する意見が相次いだ。

 準備が整わないまま見切り発車したことも尾を引いている。開始直前で東京を対象から外したことに伴い、東京都民も割引は受けられない。観光庁は、社員旅行の場合は参加者の住所にかかわらず、会社の所在地が都外なら適用対象と説明してきたが28日、都民は対象外と方針転換。「問い合わせが多く、整理し直した」(担当者)という。

 東京都民に誤って割引が適用されないよう、観光庁は業者に対し、免許証提示などによる住所確認を義務付けている。ただ団体旅行は手間がかかり、北海道のある旅行代理店は「参加者全員の住所を確認するのは無理」とこぼした。

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