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新潟県民エフエム放送/KOSCOINN

 ■開局から赤字続き、事業継続を断念

 ▼新潟県民エフエム放送 新潟県民エフエム放送は7月14日、新潟地裁から破産開始の決定を受けた。

 2000年12月に「FM PORT」(エフエム ポート)の名称でFMラジオ局を開局。新潟県内全域をカバーする2局目の民間FM局として、自主制作によるプログラム構成で県民に親しまれていた。

 スポンサーからの広告収入は年間約5億円を計上していたが、同業他社との競争で事業拡大がなかなか進まず、開局当初から赤字が続き、15年以上にわたり債務超過が続いていた。

 この間、経営権の譲渡などの交渉も進めていたが、これらも実らず、大口スポンサーの広告撤退などが大きく影響し、事業継続を断念。20年3月18日の取締役会で閉局を決定し、6月末をもって放送を終了し清算処理を進めていた。県内全域をカバーするラジオ局としては全国初の閉局となる。

 ▼KOSCOINN KOSCOINNは6月23日、名古屋地裁に民事再生法の適用を申請した。

 ビジネスホテルを中心に茨城県から鹿児島県にかけて17のホテルを運営するほか、ホテル事業の再生や賃貸コンサルタントを手掛けていた。ホテル経営は、原則として施設を居抜きで借り上げ運営のみを行うビジネスモデルにより固定資産の保有リスクを回避。2015年6月期に約12億円だった売上高は、運営ホテル数の増加に伴い18年6月期には約18億2600万円に伸び、客室改装などのコストを吸収しながら黒字基調で推移していた。

 しかし、19年6月期は相次ぐ客室のエアコン不調などで稼働が低下。売上高は約17億5000万円にとどまり、一部ホテルの閉鎖に伴う特別損失もあり、赤字を計上した。

 20年に入ると新型コロナウイルスの感染拡大を背景に急激な業績不振に陥った。5月に緊急事態宣言が解除された後も客足の回復は鈍く、業況回復の見込みが立たない中、自力での再建を断念した。

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【会社概要】新潟県民エフエム放送

 ▽本社=新潟市中央区

 ▽設立=2000年5月

 ▽資本金=10億6000万円

 ▽負債額=約2億2000万円

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【会社概要】KOSCOINN

 ▽本社=名古屋市中区

 ▽設立=2009年4月

 ▽資本金=1000万円

 ▽負債額=精査中

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 〈チェックポイント〉

 「ポート」の愛称で知られた新潟県民エフエム放送は、惜しまれつつ放送終了した。厳しい台所事情の背景にはオンラインを通じた多様な情報ツールの台頭と、既存メディアの求心力低下があることは否めない。県内全域をカバーする規模の閉局はその象徴事例といえ、時流の変化に危機感を抱く関係者は多い。

 KOSCOINNは、資産を保有しない身軽な経営スタイルで成長していた。しかし、内情はコスト重視で高い稼働率を前提としたぎりぎりの経営だった。コロナ禍による客数減がとどめを刺した格好だが、設備面の不備という基本的な点や、きわどい資金繰りが破綻を早めてしまった側面も見え隠れする。(東京商工リサーチ常務情報本部長・友田信男)

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