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資生堂、220億円の最終赤字 12月期予想で売上高1兆円割れに

 資生堂は6日、2020年12月期の連結業績予想を公表し、前期に735億円の黒字だった最終損益が220億円の赤字に転落するとの見通しを明らかにした。本業のもうけを示す営業損益はゼロ(前期は1138億円の黒字)。売上高は9530億円(前期比15.8%減)と4年ぶりに1兆円を下回る。新型コロナウイルスの感染拡大で、化粧品販売が低迷しているため。

 併せて発表した6月中間決算は、最終損益が213億円の赤字(前年同期は524億円の黒字)だった。営業損益は34億円の赤字(同689億円の黒字)、売上高は前年同期比26.0%減の4178億円だった。新型コロナの感染拡大で外出機会が減り、マスクを着用する人が増加したことで、口紅をはじめとするメーキャップ商品の販売が特に低迷した。

 オンライン上で会見した魚谷雅彦社長は「大変強い危機感を持っている」と話し、8月から12月まで、魚谷氏の30%減をはじめ役員報酬の減額に踏み切る方針を示した。また最悪の場合、前期並みの収益を回復するまでに3年かかるとの見通しも明らかにした。

 同社は今年2月に売上高を1兆2200億円、営業利益を1170億円、最終利益を775億円とする今期の業績予想を公表した。しかし新型コロナの感染拡大で先行きが見通せなくなったため、5月公表の第1四半期(1~3月期)決算では予想を撤回していた。

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