メーカー

自動車大手、中国回復で底打ちか 7社の決算出そろう

 自動車大手7社の2020年4~6月期決算が6日出そろい、新型コロナウイルスの影響で5社が赤字転落という厳しい結果となった。ただ、トヨタ自動車とスズキは大幅減益ながらも原価改善や経費低減の努力で黒字は維持。通期ではトヨタに加えホンダ、SUBARU(スバル)も黒字確保を予想しており、底は脱したとの見方も出ている。

 4~6月期の世界販売台数は三菱自動車が前年同期比53%減、スバル約50%減、日産自動車47%減、ホンダ40%減など各社とも大幅な減少を余儀なくされた。ホンダの倉石誠司副社長は「各国のロックダウン(都市封鎖)で生産、販売がまったくできなかったのが一番大きい」と語ったが、国内も世界需要急減から各社で工場の稼働停止が続出。緊急事態宣言で販売も停滞した。

 そうした中で、トヨタは販売台数は3割減となったものの、営業利益は139億円、最終利益は1588億円と黒字を確保した。リーマン後の危機を教訓に徹底してきた地道な原価改善にくわえ、今回の決算に貢献したのは中国事業だ。感染震源地である一方で回復も早く、オンライン販売などコロナ時代の新たな努力も進み、販売台数は14.3%増となった。

 危機管理意識の高さも、収益悪化の一定の歯止めに役立ったようだ。トヨタは東日本大震災当時は2週間かかった調達網の問題特定を半日でできるシステムを開発。他社も同様の調査日数は短縮しているといい、これが代替生産の素早い実施、在庫増大を抑える早期の生産停止決断につながった。マツダの丸本明社長は「在庫適正化はリーマンの教訓もあり、リアルタイムで判断できた」と語った。各社の国内生産は8月からほぼ正常化。中国以外の販売も7月の減少幅は5、6月より改善し、底は超えたとみられる。

 ただし、通期で黒字予想とした社でも、前年比では60%以上の減益と厳しい業績に変わりはなく、コロナ禍からの脱却までは時間はかかりそうだ。構造改革を進めている日産自動車、三菱自動車は1000億円単位の赤字を見込む。スズキは主力のインドの感染拡大から21年3月期見通しが未公表。他社も感染再拡大がないことを前提とした予想との留保を付けている。

 中国にも中長期的には期待と懸念が交錯する。業績回復を支える大市場には違いないが、香港問題や知的財産の覇権争いといった国家間対立がビジネスに影響を及ぼす恐れもあり、先行きは予断を許さない。(今村義丈)

 ■自動車大手7社の2020年4~6月期連結決算

 (売上高/営業損益/最終損益)

 トヨタ 4兆6007(▲40.4%)/139(▲98.1%)/1588(▲74.3%)

 ホンダ 2兆1237(▲46.9%)/▲1136(-)/▲808(-)

 日 産 1兆1741(▲50.5%)/▲1539(-)/▲2855(-)

 スズキ 4252(▲53.1%)/12(▲97.9%)/17(▲95.6%)

 マツダ 3766(▲55.6%)/▲452(-)/▲666(-)

 スバル 4569(▲45.2%)/▲156(-)/▲77(-)

 三菱自 2295(▲57.2%)/▲533(-)/▲1761(-)

 ※単位は億円、カッコ内は前年同期比増減率%、▲は赤字またはマイナス、-は比較できず

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus